Via Nazario Sauro 散策

外は快晴。窓から眺める外の様子はまさに春。昨晩から吹きはじめた風だけが思いのほか冷たくて、外を歩く人達の肩をつぼめさせる。それにしても何て良い天気なのだろう。道行く人達は何て軽装なんだろう。昨日もそんな1日だった。そんな土曜日に家の中でぐずぐずしていられる筈がなく昼過ぎには家を出たが、一週間の疲れを癒すためにゆっくり起きてゆっくりと朝食を楽しんだ。一週間に一度くらいこんな朝があると良い。時間に追われることなくたっぷりのカフェラッテを頂く朝は本当に気分が良い。そうして明るい空に誘われて家を出た。旧市街には様々な装いの人が入り混じっていた。春真っ只中の人も居れば、早くも初夏に片足を突っ込んでいる若者達もいる。その反対にまだまだ油断は出来ないわと言わんばかりに冬のオーバーコートを着込んでいる人も居るし、オーバーコートからトレンチコートに着替えた人達も居る。私はひどい寒がりだから数日前までオーバーコートを着ていたけれど、流石にもう宜しいだろうと思ってショートジャケットに着替えた。確かに風が吹くとひやっとするが、確実に冬は終わっているようだ。来週には冬のオーバーコートをクリーニングに持っていこう。カッフェと小さな菓子を頂こうと思ってCafé Zanarini に立ち寄ってみた。ところが大変な混み具合で店に足を入れるのを躊躇した。そういえばボローニャでは大きな見本市が開かれているのだった。この見本市はとても有名でイタリア中、そしてヨーロッパやそれ以外の国からも人が集まるので、これが開かれている数日間のボローニャといったら大変なのであった。私は諦めて歩き出した。Via Farini を少し行ったところで右に曲がり左に曲がり右に曲がる。大通りを横断して私はVia Nazario Sauro を歩き出した。この道には縁がある。昔ボローニャに暮し始めた頃、私は有り余る時間を利用して家中のカーテンから何から何までをミシンで縫ったもので、私はこの通りにある小さな生地屋さんにしばしば足を運んだ。はぎれを売る店であったが、別に1メートルしかないでもなく、自分の家のものを縫うには充分な長さの生地が破格で売られていたのである。それからそのずっと先の右側にはリトグラフを売る店があり、そのまた先にはシャツの仕立て屋さんがあり、この道は私のもうひとつの気に入りの道にぶつかって終わりになる。素朴でボローニャらしい道。それにちょっと面白い。だからたかだか500mあるかないかの距離を歩くのにいつも30分近くかかるのだ。昨日はそれに加えて珊瑚を売る店を見つけた。リトグラフの店の向かい側にあって、間口の狭い小さな小さな店であった。生憎昼休みで中には誰も居なかったけど、ガラス越しに紅い珊瑚で出来た小さなアクセサリー、小さな蛙、置物などを楽しんだ。オーダーメイドが出来るらしい。自分の気にいるデザインで自分のサイズに合わせてシンプルなアクセサリーを作ってみたら良いだろう。何時か自分へのご褒美にしてみよう。などと言っても実際は手の出ない高価なご褒美になりそうだけど、そんなことを考えるのは楽しいものだ。やっぱりVia Nazario Sauro は好きだなあ、とつぶやきながら店の前を離れた。でもその後もっと良いことがあった。最近ちょっと塞いでいる私に空から見ていた誰かが偶然を装って与えてくれたに違いない。その話は次回にまたゆっくりと。

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