太陽の匂い

朝から空が明るい日は気分が良い。今日は日曜日に全く相応しい快晴。近所の人々は空気の入れ替えだか太陽の匂いのする空気を室内に取り入れるためだか、先程からテラスへと続く大窓を開け放っている。少し前までは誰もそんなことをしなかったのに。それで真似して窓を大きく開いてみたら、空気はまだ冷たいにしても確かに太陽の匂いがした。太陽の匂い。何て良い響きなんだろう。まるで春がもう其処に居るような響き。今朝はちょっぴり疲れている。しかし気持ちの良い疲れだ。歩きつかれたのだ。それ程歩いた訳ではないが、何しろいつも椅子に座りっぱなしなものだから、直ぐに疲れてしまうのだ。昨日はいつものように旧市街へ出かけた。いつもの散策の習慣だけでなく女友達との約束も加わって、それでなくても嬉しい週末が益々楽しい週末になった。女友達との約束の前にと、私は街歩きを楽しんだ。晴天で、気温もいつもよりずっと高く、街は人で賑わっていた。その様子はまるで冬眠していた小動物たちが森からもぞもぞと出てきたみたいだった。まだ冬は終わっていないけど、もう春を待ちきれないよ。そんなことを言いながら森の中間達が大きな伸びをして太陽の下に出てくるみたいに。少し前まで冬物が陣取っていた店先は春物に押されつつあり、人々の視線もまた春物に惹きつけられる。軽快な色を伴った軽い木綿のシャツとパンツ。それからずっしりと厚みのある絹ではなく、さらさらと透けるような絹のスカーフを首に巻きつけたマネキンが、今にも軽快に歩き出しそうだった。足元は素足にモカシン。ああ、もう直ぐ私の好きな季節がやって来る。素足にモカシンシューズの素敵な季節。歩いては止まって外から店先を覗き、右に曲がり左に回り路地を歩いているうちにお腹が空いてきた。テーブルについて食事をするほどではないが、バールでパニーノもちょっと。それで久し振りにエノテカ・イタリアーナへ行くことにした。全く久し振りだった。店は先客達で賑わっていて、やっと注文することが出来た。小さな柔らかめのパンに生ハムを挟んでください。それからあまり強くない赤ワインを。それだけ言えば経験豊かな店主は客に何を提供すれば良いか直ぐに分かる。1分もしないうちに私に丁度良いパニーノをこしらえて、グラスには飲み頃の赤ワインを注いでくれた。此処での食事はバールと一緒で立食だけど、ちょっと違うのはその場で生ハムをスライスして目の前でパニーノを用意してくれることだ。だから美味しそうなチーズがあるときは、あ、おじさん、あのチーズも挟んでください、と言えば良い。清潔で新鮮だから、安心して食することが出来るのがこの店の良いところなのである。昼間から赤ワイン? ひとりで赤ワインにパニーノ? しかしこんな人は案外多い。別に特別ではない。隣の人達の話に耳を傾けながら軽い昼食を済ませて店を出ると街は益々賑わっていて、広場と言う広場、大通りと言う大通りが楽しそうな声で反響していた。女友達との午後のお茶と、ウィンドウショッピングは格別だ。相手が気心の知れた人間ならば尚更で、私達の3時間はあっという間に終わってしまった。互いの嬉しかったことや嬉しくなかったことを交換しながら、喜びあい励ましあい。時間がくると追われるようにして互いが別々の場所へと歩いていった。それ程歩いたわけではないと言いながら、それでも6時間くらい歩いたのではないだろうか。楽しかったけど今日は脚の筋肉が妙に痛む。でもインフルエンザの時にありがちな全身の痛みとは違って気持ちの良い痛み。これから春に向けてどんどん歩くことにしよう。さて、この晴天は一体何日続くのだろう。そう簡単にこの冬が終わるとは思えないけど。

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コメント

No title

こんにちは
私も、心が満たされているときでしょうか・・・
休日に、グラスワインをいただきます(笑)
ハーフボトルで・・・と、なるときもありますが
友人とのお茶も楽しいですよね
また、素敵なお写真たのしみです

2011/02/08 (Tue) 06:29 | 春風 #79D/WHSg | URL | 編集
No title

春風さん、こんにちは。ワインを頂いているときってちょっと幸せ。でも良く考えたら気分が良いから楽しいからワインを頂きたくなるのかもしれませんね。春風さんのハンドルネームのおかげで私のブログに春風が吹き込んだような気分です。ありがとう。

2011/02/10 (Thu) 23:17 | yspringmind #79D/WHSg | URL | 編集

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