当たり前の日常生活

ボローニャに暮らす人々の生活リズムがすっかり元に戻った。仕事をする人も学生も、夏の休暇を終えて何事も無かったかのような毎日。唯一違うのはまだ冷めない肌の日焼け。この肌がいつもの色に戻ったら、秋も本番、ひょっとしたら初冬なんてこともあるかもしれない。季節だけが先に歩むことも私達が先に歩むことも無く、私達は常に季節と共に歩んでいる。夏の日差しに射られて目が痛いほど赤かったボローニャの町の壁が、今では一頃よりも傾いた太陽に照らされて深い赤に見える。私は毎年この時期になると同じことを思うが、多分他の人だってそうに違いない。少し前、酷いアレルギーに悩まされた。元々はだが弱くてかぶれやすいが、体内からのアレルギーは覚えている範囲では初めてのことだった。医者嫌いの私もついに腰を上げて検査を受けなければならなかった。何週間も食事制限をしなければならなかったし、煩わしくて熟睡することも出来なかった。その上強い薬を飲んでいたこともあって身体に力が入らない毎日だった。結局明解な理由を知ることは出来なかったが、基本的にアレルギー体質なので身体や精神が疲れていたり、酷く暑かったり、そんな時に突然怒ったようにアレルギーが発生することがあるのだそうだ。いつもと同じ食事でも、突然受け入れられなくなることもある。そう言われながらもアレルギーがすっかり治ると食事制限は完全解禁となり、いつもの生活に戻った。何でも食することが出来るって何て幸せなんだろうか。禁じられていたワインを頂く度に、禁じられていたカッフェを飲む度に、そんなことを思うようになった。1ヶ月以上私を悩ませたアレルギーに出会うことが無かったらどんなに良かったか知れないけれど、そんな経験を通じて当たり前の大切なことに気がつくことが出来た。当たり前のように思っている日常生活は、実はとても有難い事なのだ。特に健康であること。それより重要なことってあるのだろうか。あの経験以来、夜眠る前に誰に言うでもなく声にするようになった。今日も元気に過ごせたことに感謝。

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