活気が戻り始める頃

先日の昼下がり、ボローニャ旧市街を歩いていた時のことだ。徐々に活気が戻り始めたこの街の様子を眺めながらほんの少し悲しくなった。少し前にボローニャを訪れた遠方からの友人と肩を並べて歩いた時には全く静まり返っていて肩すかしされたような気分だった。今頃訪れてくれてたらよかったのに。そうしたら教会の裏の広場に並んだカフェのテーブル席にゆったり座ってお喋りできたのに。それから大好きなあのジェラート屋さんに行けたのに。友人はきっと喜んでくれたに違いなかったのに。あの店もこの店もみんな夏期休暇中だったから、開いている店に入るしかなかったのは私にとってとても残念なことだったのだ。まあ、そういう時期であったので仕方がないといえば仕方がないけれど。ポルティコの下に立ち止まって人々が教会の裏のカフェのテーブル席について寛ぐ様子から目が離せなかったのはそういう訳だった。友人が次に来た時は必ずここに。そんなことを考えていたら、凄い爆音が聞えてきた。ふと目を向けると、濃いグレーのランボルギーニがあった。左右の扉は鳥の翼のように上に持ち上げられていて、それが普通の車でないことが車に詳しくない人にだってひと目で分かった。その様子が何時か見た70年代古い雑誌の写真の様子とそっくりだったので、こんな私にだってランボルギーニと分かった訳だ。写真の下にはスーパーカーと書き込まれていて、当時ヨーロッパの若い男性達が夢中だった車なのだ。エンジンをふかす音で辺りの空気が振動する。誰もが足を止めて車を見入った。みんなの注目を充分集めた所で例の翼のような扉がゆっくりと下がった。扉が閉まったところで車がそろそろと動き出したと思ったらギューンとアクセルを踏んであっという間に見えなくなった。見ていた人達は一瞬のうちに取り残されてしまい、皆あんぐりと口を開けたままだ。私の横に居たピンクのシャツを着た年配の男性が、特別な車だからな、と言ったので、何しろランボルギーニだからね、と私がすかさず言葉を足すと、彼はちょっと眉を上げながら人差し指を立てた。大当たり、とでも言うように。私達はまたそれぞれの道を歩き出した。まるで何事も無かったかのように。

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コメント

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ご無沙汰しています。元気でご活躍されていますね、、、ランボルギーニー、、、イタリアらしい車ですよね、、工場訪問を試みたことがありますがアポなしでは無理でした、、、

 先日、ボローニアを1日、奥さんの友人宅等、訪れました、、、相変わらず豊かな街だ、、とほんとに良い本屋が多くて困ってしまいます、、3-4時間あっという間ですから、、私のお気に入りはMelOutletという本屋、、DVDなんかの取り扱いも好みにぴったりでついつい長居してしまうんですよ、、

2010/09/04 (Sat) 21:44 | レオナルド #79D/WHSg | URL | 編集
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レオナルド さん、こんにちは。ランボルギーニと書きながら、レオナルドさんのことを思い出しました。ランボルギーニは華やかなフェッラーリの陰になりがちですが、実物の走りはなかなか派手でしたよ。
ボローニャのMelOutletには私も何度か足を運びましたが、売り場がよく分からないんですよね。私が長居してしまうのは大抵塔の真下の大きな本屋です。本屋とは長居しがちな場所なんですね、やはり。

2010/09/04 (Sat) 23:05 | yspringmind #79D/WHSg | URL | 編集

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