週明け

新しい週が始まった。新しい週の始まりはいつだってブルー。昔アメリカ人がBlue Monday と呼んでいたが、今頃になって確かにそんな感じだと共感する。それがこんな季節は特別で、週末が楽しければ楽しいほどブルーになるのである。ところが今週はそんなことは言っていられない。何しろあと5日間で夏の休暇なのだから。あと5日間。子供の頃だったら此処で時間がぴたりと止まり、いつまで経ってもこの5日間が過ぎないのだけど、近年の私の時間はそうではない。5日間などあっという間なのである。さあ、楽しい休暇を迎えるためにしっかり仕事をしなくちゃね。と気合を入れてみたものの、心の4分の3は既に休暇に入っていて気合も何もあったものではない。うっかりすると、ふふふーんと鼻歌を歌ってしまいそうなくらい心あらずなのだ、此処だけの話。最近週末になると祭りへの誘いがかかる。誘いの主は山の友人で、私達は最近祭りから祭りへ。今週末はこの村で、来週末はあの町で。とボローニャ近郊の祭り情報を握っている友人が金曜日の晩になると決まったように電話をしてきて、土曜日の晩の祭りに誘ってくれる。祭りと言っても日本のように御輿があったり何があったりの地方色豊かなものではない。夏の祭りは秋の収穫祭と違って大抵何処へ行っても同じような感じ。人々が町や村の中心に集まって踊ったり食べたり飲んだりお喋りしたり、出店を冷やかしたりと、そんな感じだ。勿論以前行ったケルト人のイベントみたいな祭りもたまにあるけれど、大抵は似たり寄ったりなのだ。違うのは環境と祭りの規模くらい。でも楽しいのだ。知ってる人も知らない人も隣り合わせになったら気軽に言葉を交わして開放的な夏の夜を分かち合う。これが夏祭りの楽しいところなのだ。先週末はBisano へ行った。家からはかなり遠い。山脈を越えた向こう側にある谷間の小さな町。何故か毎夏友人に誘われて行く。川が近くに流れているので驚くほど涼しいその町の祭りは、方々からその涼しさを求めて集まるので大変な賑わいである。昨夏は此処で知人とばったり会った。知人と彼女は祭り好きで、週末ごとに夏祭りを渡り歩くのだと言うのを聞いて、何だか私達みたい、と相棒と山の友人と顔を見合わせて大笑いしたのだ。あれからもう1年が経ったのか。ところで山の友人は近頃変だ。一緒に祭りを楽しめるのは嬉しいが、此処1年は週末といえば優先順位は恋愛中の彼女にあった筈なのに。それに折角祭りに来ているのに時々黙りこくって寂しげな表情を見せる友人。来週末はBarbarolo の祭りへ行こうと誘ってくる友人。きっと何かあったに違いない。友人の寂しい顔を見るのは辛いけど、自分から言い出すまでそっとしておくことにしよう。ちょっと、あんた、口数が少ないじゃない。こんなに楽しい晩なのに。そう言って勝手に自分のコップを友人のコップに寄せて乾杯した。あ、と我に返った友人が恥ずかしげに白い歯を見せた。今が夏でよかった。夏が何とかしてくれるだろう。皆でこんな風に出歩いていたら気が紛れるに違いない。私と相棒は友人に誘われ続けて、それで友人が夏を楽しく過ごせるなら、いつまでだって誘われ続けたらよいだろう。そのうちに外気は18度まで下がり、私達は寒い寒いと言って町から逃げ出した。来週末のBarbarolo の祭りを忘れないように、と言葉を交わしてそれぞれの家に向った。週明けの月曜日の晩は思いがけず涼しくて、あの晩のBisano よりも気温が低い。7月だというのに。

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