日焼けした人々

ボローニャの街中を歩いていると目を引く日焼けした人々。多分週末ごとに海に通っているのだろう。イタリア人は日焼けした肌を一種のステイタスと思っているのではないだろうか、と感じる時がある。自分の友人知人を見回しても肌を焼きたくないと言う人はゼロに等しく、むしろ射るような太陽の下に寝椅子を置いて、さあ、焼いておくれと言わんばかりに肌を露出する。海だけではない。山にだってそういう人達は沢山いる。そうして焼いた肌が引き立つような色合いのドレスを身に纏って街を歩くのが素敵らしい。それであなたは何処で焼いたの? とよく人に訊かれる。海へ行ってきたでしょう、と訊かれることもある。私は別に何処へ行ったわけでもないし、焼こうと試みたわけでもない。普通にしているだけで焼けていく私の肌をイタリア人たちは幸運な肌と呼ぶが、本人は決してそうは思って居ないことを彼らは知っているのだろうか。それにしてもなんて美しく焼けているのだろう、とポルティコの下を歩きながら思っていたその彼女が、あるバールのカウンターでレモンソーダを飲んでいる私の横に来て、カッフェを注文した。どうやらこの店の常連らしい。カウンターの中にいる店の人と楽しそうに話し始めた。サルデーニャへ行ってきたらしい。なにやら彼女はサルデーニャに家を持っていて、だから5月あたりから頻繁に足を運ぶらしい。また行くのかい? と誰かが訊くと、ううん、8月はコルティーナへ行くの。8月はやっぱり涼しい所がいいわよね。と、言った。成る程、彼女はなかなか生活に余裕のある人らしい。私の知人にもそういう人がいて、まだヴァカンス客で混み合わない時期にサルデーニャへ、そして真夏とクリスマスの季節にはコルティーナ、だ。ドロミテ山脈の美しい町コルティーナは経験済みだがサルデーニャはまだ、の私は彼女の話を聞きながら何時か行ってみたいものだと思った。まだヴァカンス客で混み合わない時期、でなくても良い。褒める人は沢山いても悪く言う人は誰一人いない、サルデーニャの海辺で休暇を楽しむことが出来るなら。そんなことを思っていたら急に話の矢が私に向いた。袖なしの真っ白いブラウスから伸びた日焼けした腕を指差して、それで君は何処で肌を焼いてきたんだい? と訊いた。え、私は。と言いかけて、堪えきれなくなって笑いが零れた。

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コメント

No title

こんにちは。
こちらでも梅雨が明け、かなり強烈な夏日が夏の完全な到来を告げてくれました。干上がるかと思うような三連休でした。
日本では日傘や帽子、そして長袖の女性の姿が目立ちます。もちろん、半袖の方も見かけますが、そこに長い腕カバーなどしている方もいて「!」です。こちらではやはり白い肌に価値が置かれるのです(笑)。
かくいうワタクシも「浴衣に日焼けの肌は・・・」とせっせせっせと日焼け止めを塗る毎日です。
そういえば、日本の薬屋さんにはこの時季日焼け止めがたくさん並びます。日焼け用のオイルが隅の方に、という具合で、きっとそちらのドラッグストアの品ぞろえとはまったく逆なんでしょうね。

2010/07/20 (Tue) 04:13 | 大庭綺有 #79D/WHSg | URL | 編集
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yspringmindさん、こんにちは。
ヨーロッパの人たちは本当に太陽の陽射しを浴びるのが好きですね。: D  フランスに来た年の夏はまだ語学学校に通っていて、いつもお昼ごはんはサンドイッチ屋さん兼カフェのような所へ数人の友達と出掛けていました。親しくしていた友人達はイタリア人よりももっと太陽の陽射しを浴びるのが大好きなはスイス人やイギリス人が多かったので、毎日一番太陽のギラギラした時間に一番日のあたるテラスのテーブルで過ごす昼食の1時間は懐かしい思い出です。

2010/07/20 (Tue) 18:37 | cihir #79D/WHSg | URL | 編集
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大庭綺有さん、こんにちは。梅雨がついに明けましたか。そういえばもうそんな時期ですね、梅雨が明けると学校が夏休みになる・・・そんな風に覚えています。
日本では確かに日焼けしていない白い肌が美しいとされていますね。だから私はそんな中でいつもひとり目立ってました。いやなに、生まれつき色が黒くって。そういう人は日に当たらなくても太陽を吸収する才能があるらしくて、日焼けする一方なのです。イタリアにも日焼け止めなるものは存在します。主に顔の日焼け止め。身体に関しては如何にヤケドしないで奇麗に焼くか・・・それが重要ポイントのようです。

2010/07/20 (Tue) 23:02 | yspringmind #79D/WHSg | URL | 編集
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cihir さん、こんにちは。ヨーロッパの人達は本当に太陽が大好き。やはりあの、長くて暗くて寒い冬がそうさせるのではないでしょうか。イタリア人は太陽が大好きだけど、確かにスイス人、イギリス人は更に好きですよね。公園でも水着になって日光浴なんてこともあるようですから。“一番太陽のギラギラした時間に一番日のあたるテラスのテーブルで過ごす昼食の1時間”を想像すると汗がでてきそうですが、そんなことも今になると懐かしくて楽しい思い出というcihir さんの気持ち、よく分かります。

2010/07/20 (Tue) 23:07 | yspringmind #79D/WHSg | URL | 編集

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