Via Altabella

静かな土曜日。近所の人達は海へと出掛けているのかもしれない。そんな静かな週末だ。何しろ良い天気で、寒がりの私だって半袖なのだから、普通の人にしてみれば暑いと感じるくらいなのかもしれない。この高気圧は週の後半から始まり、思うにこのまま、例年よりも少し遅いとはいえ初夏を迎えるのだろう、そんな予感がする。何しろ長くて寒い冬の後に天候不順の春だったから、夏もこの調子でまた冬を迎えてしまうのではないだろうかと私達は心配していたのだ。だからこの高気圧と射るような太陽の日差しは、人々の気持ちを盛り上げるのに充分な役割を果たした、と言うとぴったりくる。昨日、仕事帰りにボローニャ旧市街を歩いた。土曜日は用事があって1日家に居なくてはならないし、日曜日は朝早くから電車に乗ってトスカーナへ小旅行だし。週末のボローニャ散策を元気の素としている私としては短時間でもいいから金曜日に散策をしておきたい、と思ったのだ。それに暖かくて気持ちの良い夕方だったから、何の理由がなくても多分私はこんな風にして散歩をしたかも知れなかった。ボローニャの街は久し振りに光と影が対照的で、南欧と呼ばれるの相応しい景色だった。Via Altabella、この通りは私の好きな道のひとつ。二本の塔の前から真っ直ぐ伸びる大通りと平行に走っているその道は、大通りとは違うリズムの空気が流れている。ひっそりとはしていない。何故ならこの道を好む人達が沢山居るからだ。角にある薬屋は混み合うことはあまりなく、何時も親切にアドヴァイスをしてくれる。こういう薬屋は何処にもありそうであまり無いから大切にしたい。その並びには小さな服屋。こういうのをセレクトショップと呼ぶのかもしれない。値段が高すぎて見て楽しむだけながらも、この店のセンスには感じるものがある。あまり懲りすぎていない、肩の力を抜いたお洒落。でも崩れていない。人気があるらしくて店の前には私のような見学者が何時も居るが、店の中にも買い物客が大抵居て良いビジネスをしているのが分かる。その斜め前には画材屋。昔足繁く通った日本の画材屋は大きくて品揃えが良かった。国産絵の具もあればフランス製もあった。絵筆だって選ぶのが大変なくらい種類が沢山あった。この、Via Altabella の画材屋は比べようもないくらい小さくてショーウィンドウを覘いてみる限り種類もさほど多くないようだ。だけどこの店は何か古臭くて温かい感じがあって、何時か私がまた絵を描き始める気になったらばこの店に足を運ぶことにしよう、と思っているのだ。多分客にとても親切、というのが私の直感だ。そして道を挟んで向かい側にカフェ。此処の店に初めて入ったのは数年前のこと。いい感じなのだ。一見スノッビィな感じなのにその種類の人たちばかりが集まることなく、私のような普通の人がちょっと喉が渇いたからと立ち寄ったり、小さな子供をつれた若い夫婦が食前酒を楽しんでいたり、年配の男女が本の話に花を咲かせていたり。どの客にも同じように接客できるこの店の人たちにも好感が持てる。そうだ、だから人気があるのかもしれない。昨日はカフェに立ち寄ることなくその斜め前の店で絹のスカーフを買い求めた。しわしわ加工の肌触りの良い絹は急に涼しくなる初夏や夏の夜の必需品だ。鞄の中に丸めて入れておけば良い。何しろ初めからしわしわだから扱いも楽というものだ。
それにしても良い週末だ。今夜は早く眠りにつこう。何しろ明日は早起きだから。

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