12月

寒い週末だった。雪は止んだが道という道が凍りつき、窓辺から見ているだけでも寒そうだった。先週から変な習慣がついた。翌朝のことが心配で夜中に何度か起きては窓の外を窺う習慣。雪が降っていないだろうか、雪が積もっていないだろうか、そんな心配から来る習慣だ。雪が嫌いだ。見ている分には美しくも、その中を歩くのも運転するのも苦手だ。何よりも寒いのが嫌いだから、雪を好きなはずが無かった。そんな雪の中を喜んで走り回る友人の犬。顔中を雪で白くしながら走っては止まり、雪を食べる。何も食べさせていないと思われるではないか、と友人は犬を叱り、犬はまた走り出す。冷たい真っ白の雪の上に寝転ぶ犬。いつだったか犬は雪が好きだと聞いたことがあるが、どうやら本当のことらしい。私は動物で言えば猫に違いない。暖かいところに静かに丸まっている猫。クリスマスが目前にやって来た。この時期になると必ず思い出すこと。アメリカに暮らし始めて初めて迎えた12月のことだ。全てが新鮮に見えたアメリカ生活の一年目の中でも12月の様子は新鮮であり心が躍った。クリスマスを迎える為に人々はショッピングに繰り出し、町は平日も休日も大変な賑わいだった。質素な生活をしていた私は美しいクリスマスカードのセットを買って家族や友人達に心をこめてクリスマスのお祝いの言葉をしたためた。50枚にもなるとカード代も切手代も馬鹿にならなかったけど、そんな風にして家族や友人達と良い関係を保っているのだと思えば、それは私にとっては嬉しい出費であった。24日の午後になると嘘のように町が静かになった。そして25日はまるでゴーストタウンのように静まり返った。皆家族の所に行ってお祝いしているのだろう。そんなことを考えながら私はひとりで人ひとり、犬一匹歩いていないあの賑やかだった町をさまよい歩いた。私が見たこの町の一番静かな1日だった。ボローニャの12月25日もまた、家族がひとつになって祝う1日。昼食時は町を歩く人など居ない。ところが午後3時も過ぎると食後の運動とばかりに町を散歩する人達が沢山。何しろ本当にご馳走なのだから。店は何処も閉まっているが、美しくディスプレイされた店先を眺めながらそぞろ歩きする人々。その様子を見てはまた思い出す。あのゴーストタウンのように静まり返った町をひとりさまよい歩いた日のことを。

コメント

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Yspringmind さんのアメリカでのクリスマスの孤独感が痛いように私の胸を刺します。同じ思いを私もしました。ただ私のはアメリカではなくて東京でした。考えてみると、アメリカがspringmind さんにとって異国だったのと同じくらいに、私にとって東京は異国だったと思います。

2009/12/23 (Wed) 04:54 | september30 #79D/WHSg | URL | 編集
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septemberさん、私が感じた孤独感を東京で感じたのは面白いですね。あんな孤独感は後にも先にもあれっきりですが、それだからなのか忘れられない一日となりました。ボローニャで迎えるクリスマスはいつだって少人数で素朴ですが、それでも一緒にクリスマスを祝う人がいることを嬉しく思うのです。

2009/12/23 (Wed) 23:27 | yspringmind #79D/WHSg | URL | 編集
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  Merry Christmas。。.☆*
     Joy and Peace to You。.☆*:.。.☆*† 


         daikanyamamaria。。☆*:.。.☆*†

2009/12/24 (Thu) 01:35 | daikanyamamaria #79D/WHSg | URL | 編集
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daikanyamamariaさん、Buon Natale。素敵なクリスマスカード有難うございます。

2009/12/25 (Fri) 20:06 | yspringmind #79D/WHSg | URL | 編集

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