Il mistero del Lago (湖の秘密)

昔からテレビをあまり見ない。多分家族の習慣だ。昔からニュースと天気予報、そして時々映画を見たくらい。それはボローニャに暮らすようになってからも同じで、夕食の後に居間でテレビを見て過ごすことはあまりない。そんな私が昨晩テレビにかじりついた。telefirm (テレビ映画) だ。楽しい映画ではなさそうだったが、その題名と予告の映像が気になって仕方なかったのだ。映画の題名は Il mistero del Lago (湖の秘密)。わたしはLago (湖) という言葉に弱く、この言葉だけで気になるのだが、予告の映像がまた素晴らしかった。私の知らない時代、1920年代前半のイタリアを舞台に繰り広がる物語を演じる人々の慎ましくも美しい装飾、襟元に縫い付けられた手編みのレースの襟が私の関心を惹いて止まなかったのだ。さて、映画は思った通り楽しい映画ではなく、この分だと悪夢を見そうだ、と思うような暗い陰気なミステリーだった。悪い話ではない。ただ、私は怖い話が嫌いなのだ。それでいて美しかった。思った通り私の知らぬ時代の装飾美は目を捕らえて離さず、古い館の内装、家具は見飽きることがなかった。自由が少なかったに違いない時代に生きた人々の様子。当時の流行りであったに違いないドレス、髪の結い方、良家の子女達の生活。手入れされた庭園、その庭園を見渡す為のテラス。ランプを灯して廊下を歩く姿。そんなことから昔の空気と文化を手探りしているうちに話が終わった。良い映画だった。さあさあ、もう寝なくては。明日も早起きなのだから。そう自分に言い聞かせて家中の照明を消して歩きながら、先程見た画像が闇の先に見えそうで、映画を見たことをほんの少し後悔した。

コメント

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イタリアだけではなく、ヨーロッパならどこでも、古い時代を主題にしたフィルムを作成するのは、日本やアメリカよりずっと楽でしょうね。建築物や風景がそのまま残っているから。日本やアメリカだと巨大な資本をかけてすべてを再生するわけです。と、映画の中身とは関係ないことを考えていました。

2009/01/08 (Thu) 15:35 | september30 #79D/WHSg | URL | 編集
No title

septemberさん、こんにちは。欧羅巴には確かに歴史のある建物が多いので古い時代を背景にした映画を作成するのはアメリカよりも容易いかもしれませんね。そういう映画が多いのは古い時代の話が好きな人が多いからで、つまりはそういう古いものが好きな人たちによって古い建物や文化が守られているのかな、と思います。それが欧羅巴のよいところ、と思っています。

2009/01/09 (Fri) 13:24 | yspringmind #79D/WHSg | URL | 編集

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