高気圧に乗って

この11月、12月と沢山雨が降った。湿っぽくて陰気臭くて全く憂鬱な毎日だったが、青々とした草が野や山を覆っていて美しい。まるで数週間後には春が待っているかのような、そんな青さである。この雨を自然は喜んでいたのかもしれない。しかし人間にははた迷惑な雨であった。ヴェネツィアでは数回に及んで床上浸水で大騒ぎだったし、ローマのテヴェレ河も今まさに溢れんばかりの高い水位になった。あの大きな河が溢れたら一体どうなったことだろう。ボローニャでも古い運河が溢れたそうだ。毎晩テレビをつける度にそんな報道が耳に入り、早く雨が止むといいのに、と誰もが願った。しかし、である。もし、もう少し気温が低かったら・・・この雨は雪だったのだろう。大変な大雪になったに違いない。そう思うと、雨で良かったのかもしれない、と思うのは人間の勝手さだろうか。兎に角人々の願いが聞き入れられたかのように、すっきり晴れて3日目だ。人間は時間が経つと直ぐに忘れてしまうもの。どうしたことか不思議なことに良いことには直ぐに慣れてしまうのだ。だから敢えて太陽の有難さを暫くの間だけでも覚えていたい。さあ、高気圧に乗ってこの一年を気持ちよく終わらせようか。

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