Ferrara・土曜日は霙

朝目を覚まして窓の外を見るのが習慣だ。ボローニャ旧市街の方には青い空が広がっていたがピアノーロの上空には厚い雲が被さっていた。そのうち晴れるさ、と思いながら遅い朝食をとっていると本当に青空が広がって、空に気持ちが通じたことに気をよくした。昼過ぎに家を出た。快晴だが温かくはない。恐らく5度もないだろう。気に入りの襟巻きを首にぐるぐる巻きつけてフェッラーラへと向かった。先日この町を訪れて大変気に入った為、近いうちにもう一度、と思っていたからだった。快晴のボローニャを背に高速道路を北上していくうちに雲行きが怪しくなった。と言うよりは妙に空が黒い。フェッラーラ市内に入る頃には大風になり、行きかう人達は舞飛ぶ枯葉を避けるかのように顔を覆いながら足早に歩いていた。旧市街の入り口の駐車場に向かう途中で車の窓ガラスに雨粒が当たり始め、あーあ、雨が降ってきた、と呟いているうちに雨は霙に変わった。おお、天気予報は当たったではないか。この週末エミリアでは雪が降ると言っていたではないか。勝負あり。そんなことを思いながらも、勝負などなくていいから霙も雪も降らないでくれと懇願した。人々が予想外の展開に当惑しながら一様に襟を立て背を丸めながら近くのバールや店に駆け込む、その様子を見ながら私も一番近くのバールに逃げ込んだ。ああ、寒い。そう言って、温かいカップチーノを注文した。霙だね。うん、霙だよね。たまたま隣に立った見知らぬ人と声を交わして外に出ると、霙は既に止み、金色の光が降っていた。妙な天気だ。しかし宜しい。それでは散策を始めよう、とフェッラーラの石畳を歩き始めた。

コメント

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曇りなようで明るい日が差したりと妙な天気のときってありますね。そんな自分が見たことがある妙な天気を思い出しました。季節が移行する時期に見るのでしょうか。

>金色の光が降っていた。

これ分かります^^。天から何かが降りてくるようですよね。
中学生のころそういう光を見ると、「西遊記」に例えて、三蔵達が目指した「天宿の光だ」なんて言ってました。

2008/11/23 (Sun) 17:11 | limonata9 #79D/WHSg | URL | 編集
No title

limonataさん、私も色々見た経験ありますが、こんなに極端な天気は初めてだったかもしれません。快晴だったボローニャを背にして黒いロらを向こう側に発見したときの落胆と言ったら大変なもので、どうしてわざわざ天気の悪いところへ行くことに決めたのかと、大後悔しました。
それにしても夕方の光の美しさは格別でした。光と一緒に何か幸福の微粒が振っている、そんな感じでしたよ。(本当にそうだったらいいのにね。)

2008/11/26 (Wed) 13:29 | yspringmind #79D/WHSg | URL | 編集

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