白と黒

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案の定風邪を引いた。一昨日、バスの停留所で吹きっさらしの中を長々と待って身体を冷やしたからだろう。しかし一日しっかり眠ったら、随分と回復。少し前の自分なら数日間寝込んでいたに違いないのに。治癒力が高まったのならば、こんな嬉しいことはない。週末は家でのんびりして、残りの風邪をやっつけてしまおうと思っている。

少し前のことになる。旧市街の大通りから中に入った通りに面した店の中が、異常に混み合っていた時のことだ。この店が開いたのは数年前のことで、私がボローニャに暮らし始めたばかりの頃は干し鱈を売る店だった。その店が閉まると幾度か店が入れ替わって、今はトスカーナ風軽食店なるものになっている。美味しいものを手軽にいただけることと内装の独特さが客に受けて大抵いつもこんな風に混んでいる。ワインを片手にサラミや生ハム、そしてチーズをパンと一緒に頂く、その雰囲気が外国人には堪らなく面白いに違いなく、客の半分は外国からの客である。例えばこんな店をアメリカに出したら繁盛間違いなし。店の前を通るたびにそう思う。この店の素晴らしいことのひとつは色彩感覚。良い季節は店の外に置かれた小さな小さな椅子に大柄の男客が腰を下ろしてワインなどを頂いていて笑いを誘う。白と黒の千鳥格子の床が何ともよいと思っているのは決して私ばかりではないだろう。アメリカに暮らしていた頃、私と相棒のフラットのキッチンの床は家に来る誰からも褒められたものだが、丁度こんな具合だった。70年代終わり風に仕立て上げたキッチンは決して広くは無かったけれど、其処に多くの友人が集い、他にも広い部屋はあったのに、椅子を寄せ合ってテーブルを囲んだものである。
真冬の今は小さな椅子もテーブルも片付けられてしまった様子に戸惑いながら、そうね、真冬だもの、と頷く。春が来ればまたそこに客が座る。いつか私も友人とその場所を陣取って、お喋りをしながら美味しいものでも頂きたいと思う。

金曜日の晩は肩の力がすっかり抜ける。天気の良い晩の美しい月。もうじき満月だよ、と私達に知らせているかのように、力いっぱい輝いている。




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