明るい空の下を歩こう

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朝起きてカレンダーをめくる。今日から12月なのだ。月初めが土曜日にあたって運がいいような気がするのは何故だろうか。今日から12月。それに相応しいような乾いた冷たい風が窓の外の木の枝を揺らしていた。木の枝にしがみ付くようにして残っている数枚の黄色い葉がすっかり地面に落ちるのは時間の問題だ。今週末は家に居ようと思っていたのに外に出たのは、来週の土曜日が祝日だからだ。12月8日の祝日は私にとっては嬉しい大忙しの日。朝からクリスマスツリーを飾ったり、あれをしたりこれをしたり。だから外に出掛けている時間はなかろうと、今日は無理してでも外に散策に行こうと思った訳である。それに、空が明るい時間に外を歩くなんてことは、週末しか出来ないのだから。

予想していた通り、旧市街は人で賑わっていた。特に郵便局前広場で開かれているフランスのクリスマス市。今日は飛び切り寒いのに随分の人が集まった。ワイングラスを片手にお喋りに興じる人達。小さな子供や犬を連れて楽しそうに笑う人達。寒さなんて何のその、と言った感じが広場にギュッと詰まっているような感じで、眺めているだけで楽しくなった。ショーウィンドウはすっかりクリスマスモードになっていて、どの店も美しく、用もないのに中に入りたくなった。こんにちは、ちょっと見せてくださいよ。そんな言葉を店の人に声かけ、そして、ありがとうと言って外に出る。一体幾度それを繰り返しただろうか。そのうち小腹がすいたので、そうだ、と思いついて久しぶりにエノテカ・イタリアーナを訪ねた。時間が時間だったせいか店は客で一杯で、テーブル席にはつけそうになかった。まあいいさ、とカウンターの前に立ち、パニーノと赤ワインを注文した。店は随分と変化を遂げていて、テーブル席が多くなった。ボローニャ旧市街はワインを頂きながらちょっと食事を楽しむ店が目白押しで、そのどれもが競うようにしていい雰囲気を醸し出している。このエノテカ・イタリアーナもぼやぼやしては居られないと思ったに違いない。もっともこの店は旅行者が来ることはあまりなく、地元の人達、知人友人、常連たちが多く通い実に安定しているから、どんなに新しい店が出来ても経営にはあまり影響はないだろう。敢えて言えば、新しい風に刺激された、そんなところだろうか。私はこの店の常連客ではない。せいぜい年に5、6回足を運ぶ程度の気まぐれ客。しかしそれも10年も15年も通えば顔を覚えて貰えるものらしく、ドアを開けて入っていくと店の女性が、あら、と言った感じで挨拶を投げかけてくれる。この女性が実に感じが良い。ワインの知識もさることながら、丁度いい感じのお喋りを客に提供してくれる。忙しいのに忙しいそぶりもせずに。こういう人は店にとって宝石みたいな存在だろう。出ていく客はいないのに、入って来る客ばかりだから、店はパンクしそうだった。さて、そろそろこの場所を他の客に渡そうか、と思って店を出た。美味しいパニーノと赤ワイン。立ったままでの簡単な昼食。時にはそんなのもよい。

外気はますます冷たくなって、すっかり手が冷たくなってしまった。そろそろ手袋が必要らしい。そうねえ、12月だもの。そんなことを思いながら、バスに乗って帰って来た。ほんの短時間の散策。しかし楽しかった。仕事帰り、橙色の灯りに照らされた夜道を歩くのも素敵なことだが、しかし明るい空の下を歩くのは何と健康的なことか。気持ちがポジティブになる感じ。空を眺めながら歩きたくなる感じ。そんな風に思うのは、きっと私だけではないだろう。

寒いけれど12月が大好き。それは何故だろうと毎年12月を迎えるたびに考えるのだが、此れといった理由が見つからない。今年も12月を迎えることが出来た感謝の気持ちだろうか。美しく飾られた街の様子のせいだろうか。クリスマスを前にして人々の表情が明るくて優しいからだろうか。多分そのどれもが理由で、そしてまだ思いつかぬ沢山の理由があるに違いない。




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Comment

高兄

yspringmindさん、こんにちは

12月ですね、

私は、子供たちの為に

さっそく、ツリーを飾りましたよ^^


エノテカさん、良さそうな御店ですね

興味津々です♪


私も、先日、近所のワイン専門店で、イタリアの赤ワインを買ったばかりです

本当は、ヴィーノ・ノベッロを目当てに

店に立ち寄ったのですが・・・何と、今年はノベッロは全く輸入していないとの事

私、個人的には、ボジョレーよりノベッロの方が

断然、好きなんですが^^

どうも、日本では、人気、知名度ともボジョレーの圧勝の様で^^;

やはり、フランス人は商売上手だなぁ~と


かくあれ、気分は、ザンジョベーセ種の赤だったので

そこで、トスカーナのキャンティ・クラシコの赤を購入した訳です

今の、仕事のバタバタが終わって時間が出来れば

馴染みの祇園甲部の、お店に持ち込んで

みんなで、この赤ワインを飲むのが楽しみです^^

yspringmind

高兄さん、こんにちは。12月ですよ! とても良い響きではありませんか。エノテカ・イタリアーナはボローニャにある沢山の店の中でも優良な類に入る店だと思います。置いているものもさることながら、人間性の面でも、です。
京都にあるワイン専門店、ちょっと気になりますね。でも、NOVELLOがなかったそうで残念でした。私が思うに、やはりフランスは商売上手と言うよりは、日本人にとってフランスという響きがあまりにもお洒落なのだ、ということです。フランスという響きはイタリア人にとっても良い響きなようですから。
それにしたって高兄さん、時間が出来たら馴染みの祇園甲部のお店に持ち込んでみんなで赤ワインを飲むのが楽しみ、だなんてちょっと優雅ではありませんか。
  • URL
  • 2018/12/02 19:06

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