ポルティコのある街

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あれほど暑かった夏のことを思いだすことが出来ないほど、寒かった朝。デジタル温度計は3度を示していて、窓を開けて息を履いたら、たちまち白くなり、息が凍り付いたかのように見えた。厳しい夏と厳しい寒さが存在する街。若しくは気候面では恵まれていない街。相棒と私がボローニャに暮らし始めると、誰もがそう言って私を脅かした。でも、まんざら脅しではなく、7月8月は体験をしたことのないような暑さだったし、そして後にやって来た冬もまた、限りなく寒かった。何時までも軽装をしていた私は、決して寒くなかったわけではなかった。それまで寒い冬のない街に暮らしていた為に、温かいコートを持っていなかっただけだ。もう随分前のことになる。当時はこんな街にやって来てしまったことに悔いるばかりだった。暑くて寒い街、ボローニャ。

ところでそんな私は、さっさと尻尾を巻いて此処から逃げ出してしまう予定だった。それが得策。そうだ、そうしよう。そう思っていたのに、今も私はここに居る。それを良かったと思っている。途中で投げ出すのも一つの案だけど、投げ出すのは何時だって出来るから、もう少し続けてみよう。そんな風に思いながら生活して23年だ。気の長い話で、我ながら笑ってしまう。

ポルティコの下をそぞろ歩くのが好きだ。寒い冬から寒がりの私を守ってくれる。やはり、ボローニャに来て良かった。




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