柚子の樹がいい予感を連れてきた

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昨晩、相棒は随分と遅く帰ってきたようだ。というのも私がシーツの中に潜りこんだ時にはまだ帰宅していなかったからで、そしていつ帰って来たのかすら気づかなかったからだ。確かに彼は言っていた。しなくてはいけないことがあるのだと。それが何であるかは、いちいち追及しない。それを私達は信頼関係と呼んでいる。

さて、そうして今朝目を覚ますと相棒は既に出掛けた後だった。彼は母親の家に行ったのだろう。日曜日の朝の習慣だ。時計を見ると10時。やれやれ、随分と朝寝坊したものだ、と悔やみながら、一度も目を覚まさずに10時間以上眠ったことに驚いた。それほど睡眠を欲していたのかと。猫に遅い朝食を与え、自分の朝食を用意して、さて、とキッチンの大窓から外を眺めると、テラスの向こう端に変化が。長いこと枯れて置きっ放しにされていた私の金木犀。色々手を尽くしてみたが、根から問題が生じたらしく復帰の兆しはなし。それで近いうちに別のところ、どこか地面に植えてみようかと話していたところだった。どうやら相棒は昨晩遅くに金木犀の大きな植木鉢を運びだして、その代わりに相棒の仕事場に置いていた柚子の鉢植えを持ち込んだらしい。その物音にも気づかず、私は深く眠っていたことにもう一度驚かねばならなかった。柚子の鉢植えと言うが、小さなものではない。体長2メートルにも及ぶ大きなもの。相棒はそれをひとりで抱えて持ってきたのか。見れば小さな青い柚子の実が。これらが落ちないように運ぶのは大変だっただろう。感謝せねばなるまい。どんな形で感謝を現せばよいのか、ちょっと考えてみたいと思った。柚子の鉢植え。これはブダペストの友人が、柚子を料理に使った時に取っておいた種を植えて、芽が出たところでうちに持ってきてくれたものだ。ふたつ苗があったが、ひとつは伸びるだけで実がならず、もうひとつは数年前に沢山実らせた。しかし、それから実がなることはなく、どうしたのだろうと思っていたところだった。相棒の仕事場に置いていたのは、其処が風通しの良い、日当たりの良い場所だからで、そしてうちのテラスは既に置き場がないほど植物が沢山あったからだ。それが金木犀の鉢を動かすことにより場所が空いたので、そうだ、柚子を持ってこようと相棒は思ったに違いない。数えてみたら6つの実がなっていて、何かいい予感のする、そんな朝になった。良い予感には小さなことから見つけることが出来る。少なくとも私は、そんな風に思っている。

昼過ぎに、凄い爆音が近くにある大通りの方から聞こえた。テラスに出て目を凝らして遠くを眺めてみたら、驚くほどの数のHeary davidson が連なって通り過ぎようとしていた。どうやらトスカーナ州の方からやって来た集団らしく、映画で見るような上から下まで黒革で決め込んだバイカー達が磨き込んだ自慢の大型バイクに跨って、観客の目を楽しませる為にゆっくりと先に進む姿に、多くの人達が歩道で足を止めて感嘆の声を上げていた。こういうことがたまにある。例えばPiaggio社のVespa の集団が通り過ぎることもある。100台にも及ぶ磨き込まれた年代物のVespa が通り過ぎると華やかで見応えもあるけれど、しかしVespa。Heary には敵わない。Heary davidson の華やかさには流石のVespaも敵わない。




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