不思議の国

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9月になり、秋風とは言わぬとも朝晩の涼しさはひと際だ。15度。上掛けがなければ眠ることもできない。体が冷えてしまっては大変だ。少し前までは暑い暑いと言って眠りにつくのも一苦労だったけれど、もうそれすら思いだせぬ。これからが一番いい季節。いつの頃からか、そう思うようになった。初夏の華やかさや明るさも好きだけれど、それよりも秋へと向かうこの時期はもっと好きだ。多くのイタリア人は夏が去っていくのを嘆き悲しみ、秋へと向かうのを喜ぶ私を不思議に思う。何故? と、毎年夏の終わりに同じ会話が繰り返される。歩いても歩いても額に汗をかかぬ季節が好きなのだ。これから沢山歩こうと思う。夏の間怠けていたのを挽回するのだ。

今夏はひと月丸々休みだった近所のクリーニング屋さん。今日から店を開けたので、衣類を持ち込んだ。店主夫婦の日に焼けた元気な顔を見ればわかる。楽しい休暇だったに違いない。ひとしきり彼らが過ごした休暇の話に花が咲いた後、そう言うあなたの帰省はどうだったのかと訊かれたので、大変楽しかった、暑くてどうしようもなかったけれど、それでも楽しかったに変わりはない、と答えたら、良かった良かったと我がことのように喜んでくれた。美味しいものを沢山食べて、夢にまで見た和菓子を毎日食べて、これで暫くは大丈夫、と言ったら彼らが大笑いした。それにしたって、そんなに食べた割には太らなかったではないか。彼らが私を見て驚いたのも無理はない。実は私も驚いているのである。何しろ帰省前より体重が減っているのだから。理由は恐らく、暑い暑いと言いながら、毎日歩き回ったこと。毎日本当によく歩いたから。こんな私に付き合って歩いた、姉や友人達はさぞかし大変だっただろう。それからもうひとつ思い当たる理由。毎日好きなものばかり食べた。毎和菓子をふたつづつ食べた。何処かに出掛けるたびにカフェに入って、自家製菓子を堪能した。それでも太ることがなかったのは、恐らく日本の食べ物のおかげだろう。胃に軽く消化しやすい。日本の食べ物は本当に体に優しい。イタリアの食事は大好きだけど、不満のひとつもないけれど、うっかりすると大変なことになる。ここ数年実感していることだ。私の顔を見ながら不思議だと首を幾度もひねる店主夫婦。彼らにとって日本は、不思議の国なのかもしれない。私にとってイタリアが不思議な国であるように。激しく口論している人達。でも彼らは決して喧嘩している訳ではなく、ただ話に熱が入り過ぎるだけだ。その証拠にその後肩を組んで笑っている。私にとってはそんなイタリアの方が断然不思議だ。

夏の間、ワインから遠のいていた。人と外で食事をする時くらいしか、ワインに手が出なかった。別に嫌いになった訳ではない。アルコールを頂くことによって体温が上がるのを、血液循環が妙に良くなるのを避けていただけだ。しかし、この涼しさだから、そろそろ再開しても良かろう。明日の晩の為に、白ワインのいい奴を一本冷蔵庫に入れておくことにしよう。




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  • 2018/09/06 10:20

yspringmind

鍵コメさん、こんにちは。連絡待ってますよ。

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  • 2018/09/06 21:22

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