友人と銀座

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先週末、友人夫婦に会った。それは家族以外の人たちと会える数少ない自由な日。私の帰省はいつだってそんな具合だ。彼らもちょうど同じ時期にアメリカから帰省していて、思うに私達がこうして会うのは7、8年振りのこと。別にその間私達に会いたくなかった訳ではない。ああでもない、こうでもないと忙しい生活を送っていて、共通の時間を作り出せなかっただけだ。私達の付き合いは長い。夫の方とはアメリカに居た頃からだから1994年からの付き合いで、妻の方とは彼がようやく生涯を共にしようと思える女性と出会えた時からだから、多分2000年からではないだろうか。私の友人付き合いによくありがちな、細く長く。彼らとの付き合いもまた典型的な細く長く、なのだ。だいたい私はべったりの友人付き合いが苦手なタイプの人間なのだ。だから、こうした距離感が、実に心地よい。

銀座界隈をよく知る彼らについて行ったのは寿司屋。どうやら其処によく行くらしい。注文の仕方を見ていればすぐにわかる。中国人経営の寿司屋ばかりのボローニャから帰って来た私には、どれも酷く旨く、どれも宝石のように美しく見えた。存分に堪能してから銀座をさ迷い歩き、最後にエノテカへ。ここで言うエノテカはボローニャで私が仕事帰りにふらりと立ち寄るような店とは違う。宝石店の中にある階段を上がった先のエノテカで、つまり宝石店に入らねば辿り着くことができぬエノテカ。私ひとりならば決して足を踏み込むこともなかっただろう。こうした店に普通に入っていく友人夫婦。私が心底驚いていたことに彼らは気付いていただろうか。ボローニャではエノテカ・イタリアーナやフランス屋で僅か5ユーロのワインを立ち飲みしている私だ。この種の店に慣れていないと言ったら人は笑うかもしれないけれど。しかしこんな店もたまには良いものだ。雰囲気や、店に出入りする人達を観察するのは面白いし、新鮮でもあった。斜め前に居た一人の男性。リラックスしながらもきちんとした装いだった。彼は4種類のワインを飲み比べたらしい。訊けばこの店は初めてらしく、そもそも此の店に来るいきさつは、フランス料理店に行くことが多い彼はワインをもっと知りたいと思ったからとのことだった。何事にも無関心な人が多い今の世の中で、こんな風に関心を持つことは素敵なことだ。私達の方は関心があってのことではなく、単に美味しいワインを頂きながらお喋りの続きをしたかっただけ。ちょっと恥ずかしかった。銀座。やはり私にとっては特別な場所だ。

台風の影響で、この辺りも生温かい強風が吹いている。カラン、カランと外で何かが揺れる音がして、それに耳を澄ませていると子供の頃のことを思い出す。台風。この台風がどの町にも被害を生み出さぬよう願う。




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