夏場は冷えた白がいい

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相棒が箱を抱えて帰って来たのは一週間前のことだ。重いらしく、床に下ろすときに唸り声を上げた。何が入っているのかと訊けば、ワインだと言う。数日前にアパートメントの敷地にぼうぼう生えていた雑草にうんざりした彼が腰を上げて草刈機を使って綺麗にしたところ、隣の家長が相棒に感謝の印としてよこしたらしい。隣の家長は病を患っているし、上の家族は良い季節はいつも山の家に居て不在だし、下の住人は貸して貰っている身だし、何しろ力のない女性達だから、大抵こうして相棒が重い腰を上げることになる。それほど広くはないにしても、草刈り作業というのは楽なものではないらしい。照り付ける太陽の下、慣れぬ作業をして、その晩の相棒はぐったりだったが、こうしてご褒美を貰ったので疲れも不満も帳消しになったようだ。箱を開けると白ワインのボトルが12本。ラベルを読むと、イタリアとスロヴェニアの丁度境辺りにある、ぎりぎりイタリア領に位置するワイン農家のものと分かった。それにしたって隣人は随分と気前がいい。1本ならよくあることだが、12本というのは初めてのことだ。多分隣人も雑草がぼうぼうに生えて手入れの必要な敷地が気になっていたのだろう。私は何もしなかったけれど、相棒のおかげで便乗恩恵を受けることになった。早速一本取り出して冷蔵庫に入れた。翌日の夕食時に栓を抜いた。重すぎず、のど越しの良い爽やかなワインだった。草刈りに乾杯。こんな美味しいのを頂けるのだから、ボランティアの草刈りも悪くない。
この辺りの人達は、家で頂く用のワインをワイン農家から直接購入することが多い。気に入ったワイン農家から、樽で買うこともあれば、ボトルに詰めて貰ったものを何箱も購入することもある。隣人もそうだが、上の階の住人もそんなことを言っていた。彼らの親戚がオーストリアの何処かに家を持っているので時々遊びに行くらしい。帰りがてらいつものワイン農家に立ち寄って、何箱も購入してくるのだそうだ。彼らが立ち寄るのはウディネ辺りのワイン農家で、白ワインが飛び切り美味しいんだよ、との話であった。以前私はワインは赤でなくちゃ、と思っていたけれど、そんなことはない、白もよい。こうした自分の変化に驚きながらも、考えが柔軟になってきたのだと嬉しく思う。それに夏場は白がいい。喉越しの冷たい白がいい。

夏の休暇までひと月とちょっと。忙しい一か月になるに違いないけれど、それも背後に休暇があると思えば何とかなる。忙しい毎日を過ごせるのは健康な証拠。働いているから休みが嬉しい。物は考えようなのだ。ただし無理はしないでおこう。折角の休暇に疲労や夏ばてで倒れてしまっては意味がないから。さあ、もうひと頑張りだ。




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