昔通った街

暑くもなければ寒くもない。今日が丁度そんな日だ。時折、雨粒が空から落ちてくるけれど、かと言って傘をさすほどでもない。ああ、降ってきたねー、と樹の下に逃げ込むと止み、歩きだすとまた少し降る。聞くところによればトスカーナの何処かの街では随分の雨が降って道が川のようになっているとか。そういえば先週はサルデーニャにも大量の雨が降って、その様子がテレビに映し出されていた。それを思えばこんなパラパラとしか降らぬ雨は、気まぐれの雨とか、思いつきの雨とか、そんな風に呼ぶのが相応しいのかもしれない。

朝から忙しく活動した。収入の申告とか、市役所関係とか。銀行関係とか。こうした平日にしか受け付けて貰えないことがイタリアには沢山ある。不便といえば不便、しかしそこで働く人達のことを思えば、当然のことかもしれない。そう思えば不平不満を言うこともないというものだ。ボローニャ郊外の街へ行ったのは収入の申告手続きのためだ。もう10年くらい、この街に行くのはこの申告手続きのためだけで、つまり一年に一度のこの時期だけだ。昔は舅、姑が住んでいたから、毎日のように訪れた。初めてここに行ったのは1993年。結婚の前に相棒の家族を訪ねるためだった。その昔は何もない野原だった、家が数軒しかない街だったと舅は言った通り、25年前のその頃も空き地と呼びたいような空間が沢山あって、閑散としていた。それでも彼らが其処に家を購入した80年代初めに比べれば、随分と家が建ち賑やかになったというのだから、開いた口が塞がらなかった。10年ほど前に彼らは家を売却してピアノーロに移ったが、それから街は更に発展を遂げて今では空き地など探してもどこにもない、完全な住宅地になった。年に一度行くたびにその発展ぶりに驚かされる。もう私の知らない街になった。舅が生きていたら、何と言うだろう。彼はこの街が好きだったけれど。半分田舎のようなこの街を自転車に乗ってすいすいと走り回るのが好きだったけれど。今ではどこもかしこも一方通行になって、街中が迷路のようになったそれを、舅は空から眺めて、ああ、こんなになってしまってと、頭を左右に振っているのかもしれない。姑はどうだろう。もう長いことここを訪れていないけれど。今度の日曜日にでも車に乗せて、この辺りを見せてあげよう。驚くだろうか。懐かしがるだろうか。それとももう覚えていないかもしれない。

昨日から猫の機嫌が悪い。非常に機嫌が悪い。何処か具合でも悪いのか。それとも私に文句あるのか。ああ、猫と話が出来たらいいのに。




人気ブログランキングへ 

Pagination

Comment

moonriver

イタリアでの手続き、ほんと大変ですよね。
わたしは郵便事情に辟易した記憶が・・・笑 

ボローニャ、いい街ですね。学生が多いですよね。


雨の日、わたしは好きです。笑。落ち着くのです。晴れているとどこかへ行かなきゃいけないような気になって落ち着かないのです。


ウチも猫がいますが、気まぐれで自己中で、誰に気を遣うわけでもなく、媚びるわけでもなく、不思議です(笑)
  • URL
  • 2018/05/10 07:41
  • Edit

yspringmind

moonriverさん、こんにちは。今は郵便事情は随分と改善されましたが、しかし、やはり日本のようにはいきません。イタリアだから仕方がないと思えばあまり気にもなりませんけれど。ははは。
雨の日が好きですか。うん、確かに落ち着きますね。でも晴れていても落ち着きます。気持ちも晴れ晴れして、家に居ても楽しいですよ。
ねこ、猫、ネコ。猫は面白いです。随分機嫌が良くなりました。きっと体調が悪かったのかもしれないなあ、と思っているところです。
  • URL
  • 2018/05/11 23:10

Post Your Comment

コメント:登録フォーム
公開設定

Utility

プロフィール

yspringmind

Author:yspringmind
ボローニャで考えたこと。

雑記帖の連絡先は
こちら。
ysmind@gmail.com 

フリーエリア

月別アーカイブ

QRコード

QR