好きな場所がある

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不満を溜めぬために、したいことをしようと思って日帰り旅行に出掛けた。行き先はヴェネツィア。列車に乗ればあっという間。今では特急列車に乗れば僅か1時間半だから、随分と身近な存在になった。それでいてボローニャとは違う色がある。幾度足を運んでも、飽きることはない。それがヴェネツィア。ヴェネツィアへ行こうと思いついたのは、先々週の晩にテレビで放映していた古いイタリア映画のせいだ。美しい音楽と美しい映像に刺激されて、それでなくとも一年中訪れる人の多いこの街が、人で溢れすぎる前に行きたい、行こうと思ったのだ。忙しい毎日から、縫うようにして見つけた一日。この日を逃したら、暫くチャンスは手に入らないような気がして、えいっと掴み取った。

初めてこの街を訪れたのも今頃の時期で、25年も前のことだ。映画でしか見たことの無かったこの街を歩いていることが、不思議でならなかった。眩い光で、温かくて、気の早い人達は既に半袖姿だったのを覚えている。水路の薄緑色の水面が揺れるときらきら光った。薄緑色の水面だなんて、と思いながら水路に遭遇するたびに足を止めて見入った。それは25年経つ今も同じ。私は今も薄緑色の水面に魅了されている。ヴェネツィアへ行ってくるから、と言って家を出る私を相棒は快く送り出してくれた。君はヴェネツィアが好きだね、と言って。好きな場所がある。快く送り出してくれる人が居る。忙しい毎日のなかからこんな一日を生み出すことが出来たことにしても、私は大変幸運だと思った。そんなことを思いながら、水路の街の散策を始めた。




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