始まり

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朝からずっと鼠色の空だった日曜日。そのうち雨が降るだろうと思っていたが降らず、しかし湿度が高くてアスファルトが濡れて黒く光っていたのが印象的だった。朝食後、クリスマスツリーを片付けた。飾る時には嬉しくて楽しくて1時間半も掛ったけれど、仕舞うのは淡々とした気持ちで作業するからなのだろう、僅か30分で終わった。クリスマスツリーが居間から姿を消したら妙にすっきりしてしまい、猫じゃないけれど何となく淋しい。お疲れさま。また次の冬までさよなら、私達のクリスマスツリー。

ひと月ほど前のことだ。ボルサリーノ帽子店が破綻、という報道を耳にした。創業して160年経つボルサリーノの帽子は、ひとつひとつ手作業で作り上げられる丁寧で美しい仕上がり。ボローニャに店があった頃は、奮発して幾度か購入したことがあるけれど、ふたつあった店が双方ともボローニャ旧市街から撤退してからは、手の届かぬ存在となってしまった。帽子というのは被ってみなければ分からないもの。見かけが格好いいのと自分に本当に似合うのは違うからだ。その存在は例えば靴とよく似ている。靴も履いてみなければ、自分の足にぴたりと合うかどうかなんて分からない。だから、ネットでは購入できないものだと私は思っているのだが、どうだろう。世界中の人達に愛されてきたボルサリーノが経済破綻したのは経営者の問題が大きいようだけど、素人ながら想像するに、多分、帽子という存在が、昔のように無くてはならぬ存在ではなくなったから、ではないだろうか。残念ながら此れは否定できぬ事実で、帽子が好きだという私だって、冬にしか帽子を着用しない。防寒を兼ねてのお洒落的存在になった帽子。老舗でも客が居なければ継続することはできないということだ。ボルサリーノは世の中から消えてしまうだろうか。それとも何かの形で生き残るだろうか。此れに関しては、これからじっくり追ってみたいと思う。

今日で冬の休暇は終わり、そう思うと残念過ぎるので、明日から普通の生活が始まると思うことにした。終わると考えるより始まると考えた方が多少ながら気分がいい。単なる言葉の綾でしかないけれど、何事も前向きに、前向きに。それにしても元気だ。こんな嬉しいことはない。明日は仕事帰りにフランス屋で立ち飲みワインでも楽しむとしよう。




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