私は夏野菜が好きだ

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と、威張っていう程のことではないけれど、兎に角この時期は夏野菜を食べずには一日が終わらない。今では一年中トマトを求めることが出来るけど、しかし夏場のトマトの美味しさは格別。それからさやいんげん。ただ塩茹でしただけでも、次から次へと手が出てしまうほど美味い。それは日本で言う夏場の枝豆に通じるものがあって、お喋りをしながらひとつ、またひとつとつまんでいると、お皿に大きく盛られていたさやいんげんはあっという間になくなってしまう。食事と言うよりもスナック。お喋りをしながらつまむのがいい。ズッキーニは、今を逃してどうすると言う程の旨味。グリルするのも良いけれど、薄い輪切りにして刻んだ大蒜とじっくり炒めたのが好物だ。それから茄子。でも、イタリアに来てからというもの、茄子をどう扱っていいのか良く分からない。色んな手の込んだ料理があるけれど、日本の焼きなすのようなさっぱりと、しかし上手いと言った料理はまだ見つからず。それにしたって焼きなすは、どうしてあんなに美味しいのだろう。この美味しさを知っているだけでも、とても得しているような気分になるのは私だけだろうか。
先日、旧市街の食料品市場界隈に立ち寄ったところ、よく行く店の前でぷっくりと丸く太った茄子を見つけた。あまりにゴロンとしているので、目を丸くして見入っていたら、店の人に声を掛けられた。新鮮だよ。いい茄子なんだ。それで店の人に訊いてみた。こんな丸い茄子は、どんな料理がいいのかしら。すると出てきた言葉は想像もしていないものだった薄い輪切りにして、グリルで焼けばいい。美味しい塩をふって食べるといいよ。シンプルな調理法を薦めるところを見ると、素材が良いと言うことらしい。成程ねえ。しかし、もう少し気の利いた料理を期待していたので、内心がっかりだった。それで茄子はまた今度にすることにして、さやいんげんを茶色い紙袋に一杯と小粒の赤い赤いトマト、そして好物の桃を6つ購入した。しかし重いこと、重いこと。重ければ重いほどみずみずしいと言うことだから、仕方がない。
家に帰って、さやいんげんの筋を剝いた。いつもは既に処理済みのものを購入するが、と言うのはこれが結構な手間で仕事から帰ってきてからすると時間ばかりが過ぎてしまうからなのであるが、その日に限っては処理済みのさやいんげんは売り切れ。仕方なく、キッチンに立って筋を向き始めた。すると次から次へと子供の頃のことを思い出した。
私と姉は小さな子供の頃から母の手伝いを沢山した。したかった、と言うよりは母に命じられてと言ったほうが良かっただろう。忙しい母を手伝う私達は、大人から褒められた子供たちだったに違いない。庭の植物に水をくべること。夏休み中の庭の草むしり。遠くの農家に今朝産んだ卵を買いに行くこと。夕食の為の米とぎ。色んなことをしたものだけど、其の中で一番面倒くさかったのが、さやいんげんの筋を剝くことだった。庭に育てた大きな赤いトマトを収穫するなどと言った楽しい仕事はさせてもらえなかったのに。面倒くさいうえに開くで指先が黒くなるのが嫌いだった。でも、姉と一緒に、又は母と一緒に話をしながら筋を剝くのは、案外楽しい作業でもあった。夏の思い出と言ってもよい。青臭いさやいんげんの匂いが立ち昇りそうな、私の大切な夏の思い出。

晩も遅くになって猫が興奮して家の中を跳ねまわる。この興奮ぶりは? と、様子を見に行ってみたら、居間の中央にコウロギ。家の中にコウロギが居るなんて。何故だ。何故なのだ。




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コメント

夏野菜

springmindさん、こんにちは。

バカンスで、ボローニャから、そう遠くはないフィレンツェに、行っていました。インターネットでは、近いも、遠いも、ないかもしれませんが、貴女のことを、よく、思い出してしまいました。

こんな、ステキな言葉で、毎日、暮らしてらっしゃるのだな、などと。

いんげん、トマト、本当においしいですね。フィレンツェでも、エルバ島でも、前菜に野菜がたくさん出てきて、私には、ありがたいです。フランスより、たくさん出てくると思います。

焼きナスは、私も大好きです。フランスのナスは、大きくて、イマイチですが、新鮮なのが手に入ると、「もどき」を作って、なぐさみにしています。なるべく大きなのを、買って、たてに、切り目を入れ、丸ごと、オーブンで焼いちゃいます。

毎日、暑いです。どうぞ、お大事になさってください。

2016/08/04 (Thu) 06:40 | chiyo #CRg5EvyY | URL | 編集

こんにちは。
ねこちゃん、かわいいですね。

なすの色が、へたもそうですけど、きれいなうすい色ですね。観賞用のような。わたしも、なすが大好きです。油で焼いて醤油をかけて食べます。
イタリアだとなすをラザニアのようにしそうですが、案外シンプルに焼いて塩だけという料理法が多いのですかね、他の野菜や魚、肉でも。

箱にアグリボローニャと書かれているのが気になりました。そうか、農場があるんですね、郊外に。

2016/08/04 (Thu) 14:34 | つばめ #- | URL | 編集
Re: 夏野菜

chiyoさん、こんにちは。思い出していただいて光栄です。フィレンツェはボローニャの隣町感覚的存在です。実際特急列車なら30分です。しかし街の印象は随分違う。フィレンツェが花ならば、ボローニャは頑固な印象でしょうか。ステキな言葉・・・そうですか。私にはフランス語の方が耳に美しいのですけれど。
イタリアは野菜が豊富で嬉しいです。特にこの季節はどれもこれも美味しくて、ついつい買いすぎてしまう。だから何時も店先で自分に言い聞かせるのです。今日の分だけにしておこう。明日の分は明日買えばいい。
エルバ島にはまだ行ったことがありません。美しい島だと聞いています。私もいつか行きたいなあ、とお話を聞きながら思いました。

2016/08/04 (Thu) 22:26 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、こんにちは。猫は本当に面白いです。面白いことを自分で見つけます。こういう点は学ぶべきだなあといつも感心するのです。
イタリアの茄子料理は結構重いものが多いのですが、八百屋のおじさんとしては素材が良いものはシンプルな調理がいい、とのことです。それにしてもこの茄子は綺麗な色ですよね。ついつい嬉しくなって、レンズに収めました。観賞用にもいいですね。でもこんなものを家に飾っておいたら、猫が遊ぶに決まっています。
ところで箱にアグリボローニャと書かれていますが、どうやらボローニャ農業協同組合みたいなもののようです。ボローニャの周囲は農地が沢山あって、その辺りは野菜だけでなく桃や杏、洋ナシやそしてワインの為の葡萄畑が広がっていますよ。

2016/08/04 (Thu) 22:33 | yspringmind #- | URL | 編集

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