楽しいことは駆け足で過ぎていく

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いつまでも空が薄明るいのは6月の証拠。空が明るいとついうっかりしてしまうのは帰りの時間と夕食の準備。何となくいつまでも外に居たいような気がするのは私だけだろうか。何となく外を空を眺めながら食前酒でも頂きたくなるのは私だけだろうか。

植物に水をくべるのが楽しい季節。特に最近購入したバジリコにはたっぷりの水を。近所のパキスタン人経営の食料品店で購入したバジリコ。普段はバスで通り過ぎてしまう店だけど、一年に一度だけ、バジリコを購入するためにバスをわざわざ途中下車して店に向かう。店の人も気づいている。一年に一度だけ、食料品を買い求めるでもなく、バジリコを買いに来る東洋人。けれども、わざわざ途中下車してバジリコを買いに来ていることまでは気づいていないに違いない。それでいい。これは私だけの秘密なのだ。この店のバジリコはどの店のよりも元気がいい。葉は肉厚で濃い緑色。まだ15センチにも成長していないけれど、わさわさと葉が生い茂っている。バジリコの鉢をテラスに並べると、夏を迎える準備が出来たと感じるのは、全く不思議なことである。季節の野菜や果物を楽しむのがイタリア風。そして季節のものがご馳走だ。形が不揃いだっていい。太陽の下で育ったもの、太陽の恵みを十分吸収して育ったものが一番いい。これからは驚くほど沢山の種類のトマトが店先に並ぶから、どれにしようかと迷いながら買い物をするのが楽しい。夏に向かうこの季節は、楽しいことが沢山。ほんの小さな喜びだけれど、小さいひとつひとつをつまみ上げながら生活するのは良いことだと思う。
日曜日恒例の、ピアノーロに暮らす姑と一緒の昼食会の帰りに、近所のジェラート屋さんに立ち寄った。教会の前の広場の隅っこに建てられた小屋のような店だが、何かの賞をとったこともある、とても美味しい店である。日曜日の午後と言うこともあり、店は大変混んでいた。10ユーロ分のジェラートを持ち帰りのケースに詰めて貰っていたところ、背後から元気な声が聞こえた。シニョーラ、お父さんと美味しいジェラートを買いに来ました。びっくりして振り返ってみたら、小さな小さな女の子が立っていた。彼女の後ろには父親らしい男性が居て、何やら恥ずかしそうにしていた。多分父親が、娘に言ったのだろう。さあ、シニョーラのところに美味しいジェラートを買いに行こうよ、と。店のシニョーラもアルバイトの女の子も、私も、それから順番を待っていた他の客たちも、わっと笑みを湛えた。店のシニョーラはさぞかし嬉しかっただろう。私はと言えば、こんな風に自分が言いたいことを大きな声で言えた女の子が眩しかった。私がチャオ、チャオ、と言いながら手を振ると、女の子もチャオ、チャオと同じ調子で言いながら手を振り返してくれた。向日葵のような女の子だった。

楽しかった今日も、もうじきお終い。日曜日は駆け足で過ぎていく。そんなに急いで過ぎて行かなくてもいいのになあ。




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コメント

こんにちは。
子供はシンプルでかわいいですね。

2016/06/06 (Mon) 02:06 | つばめ #- | URL | 編集
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2016/06/06 (Mon) 22:40 | # | | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、こんにちは。子供は気持ちをそのまま言葉に出来て、素晴らしいのです。私達も昔はそんなこともだったのだなあ、と。

2016/06/08 (Wed) 21:24 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: お久しぶりです

鍵コメさん、こんにちは。体調を崩して寝込まれていたそうですね。それは大変。私は昨夏ごろから春ごろまで、長い間体調が優れず、だから鍵コメさんのおっしゃることが何となく理解できます。やはり健康が一番なのです。疲れている時は休む。自分自身を大切にする。実の簡単なことなのに、私達は何時も忘れて度が過ぎてしまうようです。私の方は1か月前程からやっと元気回復で、今は同じ失敗を繰り返さぬよう、少しづつ、ゆっくり楽しみながらと自分に言い聞かせながらの生活です。これから夏がやって来ますからね。楽しい休暇がありますからね。鍵コメさんも楽しいプランが待っているようですから、体力を挽回されますように。

2016/06/08 (Wed) 21:32 | yspringmind #- | URL | 編集

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