心を揺さぶる

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帰り道が明るい。今までは18時を夕方と言っていたけれど、日没が20時半ともなると18時はもう夕方ではない。兎に角明るくて気分がいい。四季のメリハリも素敵だけれど、そして四季折々の情緒が好きだけれど、一年中こんな明るい空を眺めることが出来るのなら、ずっと春から初夏で季節が止まってしまってもいいと思う。そのくらい、明るい空が好きだ。そして、もうひとつ加えると、明るい空が徐々に暗くなっていく時間帯も好きだ。ああ、今日も良い一日だった、と感慨深い時間帯なのだ。そんな時間帯に猫がテラスに出たきり家の中に入ってこないので、何をしているのだろうとテラスに様子を見に行くと、猫は宙をじっと見つめながら、まるで感心したかのような、まるで感動したかのような、吐息に近い声を出した。夕暮れの空にコウモリが舞い飛んでいた。小さな二匹のコウモリがまるで踊るようにしてひらひらと。一体何処から来たのだろうか。この辺りには樹が沢山あるから、それとも少し行くと静かな丘が存在するから、その辺りに住んでいるのかもしれない。

まだ私が小さな子供だった頃、少し先に小さな森があった。通り抜けることすら少し怖い、小さな森のくせに奥が深いと思わせるような森だった。ある夏の晩、近所の大人が子供たちを数人引き連れて、森へ行った。肝試しのようなものだった。怖いけれど見たい。晩に森を歩いたことは無かったから、どの子供も興奮で胸が高鳴っていた。星と月明りだけが頼りの森探検。と、ひらひらしたものが頭の上を通り過ぎて子供たちを驚かせた。隊長が教えてくれた。あれはコウモリなんだよ。コウモリとの遭遇に子供たちは更に興奮して、その夏中コウモリの話に夢中だった。
コウモリなんてそんなに居るものじゃない。私はずっとそう思っていたけれど、ボローニャ辺りでは案外安易に見ることが出来る。初夏から夏にかけての夕暮れ、そして晩に。それを教えてくれたのは相棒で、そして近所の老人たちだった。コウモリが飛んでいたよ。もうそんな季節なんだねえ、と目を細めて喜ぶ彼らは、もしかして少年だった頃のことを思い出しているのかもしれない。私が子供の頃の森でのことを思い出すように。

朝の涼しさ、夕方の暑さ。半袖を着たいような、まだ早いような。季節が私達の心を揺さぶる、そんな意地悪な5月。それもあと数日で終わってしまう。




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コメント

こんにちは。
ほんとうに5月はかろやかですね。

2016/05/26 (Thu) 16:00 | つばめ #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、こんにちは。5月の軽やかさは色にしたら濃い黄緑色でしょうか。訳もなくうきうきして、足取り軽く外に出る日が多くなりますね。

2016/05/26 (Thu) 23:01 | yspringmind #- | URL | 編集

こんにちは。
暑くて気持ちいいです。
写真の街の人々はかろやかですね。

今日はオバマ大統領が広島の平和公園に先ほど来られましたよ。
すべての人類は平等である。核をもつというレトリックから解放されなくてはならない。これからの未来こそ私たちが選択する世界。
と、スピーチされてました。
いろいろあるにせよ、なんだかあたたかく感じました。

2016/05/27 (Fri) 10:50 | つばめ #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、一気に夏という名の花が開いた、そんな感じのボローニャです。オバマ大統領が広島の平和公園を訪問したこと、テレビのニュースで見ました。すべての人類は平等である。其の言葉は実は昔から誰もが知っている筈なのに、どうして忘れてしまったのでしょう。

2016/05/28 (Sat) 19:48 | yspringmind #- | URL | 編集

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