苺を食べよう

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好きな果物は沢山あるが、中でも苺は大好きな部類に入る。少し前まで南イタリア産のものが主流だったが、最近この辺りの、つまりエミリア・ロマーニャ州で摘み取られたものも店先に並ぶようになった。数年前に比べると値段が高いようだけど、それも仕方がないだろう。それに美味しいものを頂けるのであれば、多少値が張っても良い、というのが私の考えなのである。先日、マッジョーレ広場の直ぐそばにある、食料品市場界隈に立ち寄ってみたら、私の気に入りの青果店が開いていた。この店は、とても儲かっている、と私は睨んでいる。開いている時は何時も客が順番を待っている。理由は良いものを置いているから。その一言に尽きる。そして適切な値段が付けられているのも理由のひとつかもしれない。唯一困ったのは、休みが多いことだ。だから開いている時を逃す手は無く、その日も店の前で足を止めた。運よくすぐに自分の順番がやって来た。甘くて飛び切り美味しい苺が欲しいのだけど。そう言う私に店主がちょっと考えて、今日家にあるのはどれもとても甘くて美味しいけれど、バジリカータ州のとエミリア・ロマーニャ州のがあってね、と言った。バジリカータ州はイタリアの南に位置するので太陽の恵みが多いかもしれないと思いながら、地元贔屓の私はエミリア・ロマーニャ州の苺を選んだ。確かにナポリの小さなトマトは甘くて美味しいし、シチリアのオレンジも美味しいけれど、苺くらい地元のを選んでみるのが良いだろう、と思って。買った苺を手に提げて家に帰って来た。直ぐに冷たい水で洗って口に放り込んだら、甘い! 酸味と甘みが絶妙で、其のまま食べるのが丁度いい。生クリームを添える必要もなければ、レモンと砂糖を掛ける必要もない。どんなおやつよりも健康的で美味しかった。と、思い出した。昔、まだ私が小学生だった頃、東京から田舎に引っ越して3年目の春、学校の先生の家が苺農家で、日曜日に苺摘みに行ったことを。広々とした畑は苺で一杯だった。今思えば、私たち子供たちの為に畑を開放してくれた先生の両親は、心が飛び切り大きかったと思う。イチゴを摘むのも初めてならば、大きな日本家屋を訪れるのも初めてだった。東京に暮らしていたら得ることの出来なかった体験で、子供ながら私はとても嬉しかったのを覚えている。でも、嬉しすぎて苺を沢山食べ過ぎて、翌日学校を休んでしまったのはいけなかった。夕方、先生が心配して家に電話をかけてきたから、母がとても恐縮していた。いいえ、娘が苺を沢山食べ過ぎてしまったものだから、と。目の前に居ない先生に向かって頭を下げているのを横で見ながら、食べ過ぎは罪だと思ったものだ。あれ以来、私はどんなに苺が好きでも、どんなにその苺が美味しくても、程々を心がけているのだ。この苺。うっかりすると直ぐに姿を消してしまう。近いうちにまた購入することにしよう。旬のものを頂くのが、健康の秘訣なのだ。旬が過ぎたら、たとえどんなに苺が好きでも来年春までさようならなのだから。

うちの猫は赤い苺に興味があるらしい。いや、苺ばかりではない。赤ワインも、赤いトマトにも、それから赤い爪にも。赤い色が彼女の心を刺激するのかもしれない。


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コメント

こんにちは、yspringmindさん。
いちご。
じつは、わたしの母がいちごをハウスに植えて出荷しています。小さいときから、あたりまえにいちごがありそのありがたさが今さらながらわかります。
でも、イタリアのように生クリームをつけたり、レモンと砂糖にひたしたりして食べないので、場所が変われば、その土地との組合せ(レモン)がおもしろい。今度、やってみます。

日本のイチゴの育て方は、とにかく時間と手をかけお金もかけます。イチゴパックに詰めるのもイチゴのサイズごとに上は何段、下は何段ときれいに並べて価値をあげていくのです。

そちらではどうなのでしょう。
想像するに、ハウスはハウスで育てるのでしょうね。いえ、今の時期出回るなら、路地栽培。サイズごとに分けたりしなくても、きっとその価値に見あった価格がつけられてるのでしょう。日本もいずれパックにきれいに並ばなくても同じ価格帯で売られる日が来るのだと思います。なぜなら、農家の高齢化がきていますからね。並べるのもすばらしい技術ですが、子供心に長靴の形をしたイチゴがはねられたり、不格好なイチゴがはねられるのは、消費者からしたらいやなのは分かるけど、イチゴの身からしたらかわいそうだと思ったものです。

わたしが、いまよりずいぶん若く、こんなに自分にとってイチゴという存在が母を通して大切なものと気づいていたら、まず、イタリアにイチゴを調べに行ったはずです。なぜなら、日本とイタリアは根の部分で似た農業国ですし、日本人が忘れたり、気づいても見ぬふりをしている価値観がまだイタリアに残ってる気がわたしはするから、それこそそのパッションを感じに行きたい。寄り道をせずに。
でも、時はながれた。

2015/05/25 (Mon) 15:26 | つばめ #- | URL | 編集

こんにちは。
世界的に天候が不安定ですね。今日も肌寒そうな気温こんな日は羽織物が手放せなく暖かく過ごしてください。
髪もカットされすっきり、今日から新しい一週間の始まりですね。

さてさて、私食べ物の中ではフルーツが大好物。
イタリア一人旅が続いてるここ数年は、ランチはガッツリ頂き、お昼間市場でトマトや、スイカ、メロン等フルーツを調達冷蔵庫にストックして、夕方はスーパでお惣菜を求めお部屋でテレビを見ながら頂くのが定番スタイル。
短期間滞在中地元人の生活風景を覗きこむのも楽しみのひとつなのです。
なんと言っても憧れのイタリアいつか住みたいと夢を描いてる日々。
今年はイチゴを買って食べたいな。産地まで理解できるかは心配ですが、季節の物ですから急がなければいけませぬ・・・・・

yspringmindさん、今年は20年記念の年ハッピーなことがありますように!
一人のお出掛け先決まりましたか。
サンサンとした太陽の季節、外の新鮮な空気をたっぷりと吸収リフレッシュして下さいね。
また、おススメエリア教えて頂けると嬉しいです。

2015/05/25 (Mon) 16:26 | すみれ #GYxcADzc | URL | 編集

こんにちわ。
今日の写真もドキッとするほど鮮やかですね。一瞬のイメージを切り取るのが本当にお上手ですね。
さて イチゴ。大きくても雑味なスペイン産には目もくれず近場のイチゴをちょくちょく買います。庭のイチゴもこの週末には小さなかごいっぱい取れたので、鳥に食べられる前にと急いでいただきました。
食べながら思い出した。小さいころの我が家のイチゴの食べ方といったら、食事のあとに母がきれいに洗ったイチゴにお砂糖と牛乳をかけて少しつぶしてイチゴミルクのようにして食べるか、母の作る牛乳イチゴ寒天でした。どちらもお砂糖を加えて食べているということはすっぱいいちごだったのかしら?
それに比べて、庭の完熟イチゴは甘くてみずみずしくてそのまま口にぽんです。旬のものを戴くとほんとに恵を戴いている気持ちになりますね。それにしても猫ちゃん 赤い色が好きってどうしてかしら?

2015/05/26 (Tue) 14:20 | kimilon #036/uE16 | URL | 編集
Re: タイトルなし

つばめさんのお母様は苺を栽培して出荷しているのですか。それは羨ましいお話です。昔苺はとても高価で、私が子供だった頃(というのは遠い昔のことになりますが)、とてもご馳走だったように覚えています。何処かのお家へ行くときに、手土産に苺を持って行ったり。確かに日本の苺の育て方は、まるで宝石を扱うごとく、ですね。苺のサイズごとに段に並べるなんて、想像したこともありませんでした。イタリアの苺は様々な大きさの苺がプラスチックの入れ物にごそりと入っています。並べるなんて・・・そんな話ではないのです。不揃いではねるなんてことはありません。それもどれも美味しい苺には変わりありませんから。そんな苺が店頭に並んでいるのをつばめさんとお母様が見たらば、天地がひっくり返るほど驚くこと間違えなしなのです。

2015/05/26 (Tue) 19:19 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

すみれさん、こんにちは。世界的に天候が不安定と言ったって、6月を目前に再びセーターを出してしまったり、コートを着て出掛けるなんてことがあって良いのでしょうか。素適な季節を無駄にしているような気がしてなりません。私も果物が大好きです。すみれさんが旅の滞在先でそんな風に夕食をとるとしって嬉しくなりました。私も良くそんなことをします。地元の人たちが行く店に行ってあれこれ買い込んでくるのは楽しく、そして美味しいですね。 そう言う旅の楽しみを持つのは良いことだとも思うのですよ。すみれさんの憧れ、イタリアに暮らす夢、いつか叶いますように。
それにしたって、さあ、何処へ行きましょう。今一番押しはパリ。小さな鞄を一つ持ってぶらりと行くのもいいかもしれないと思って。

2015/05/26 (Tue) 19:26 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

kimilonさん、こんにちは。私、どこかへ出掛ける時は、いつも小さな小さなカメラを鞄に入れて出かけるのです。心惹かれる情景に出会った時にカメラが無いなんて、残念すぎますから。この写真は、粗雑にとってしまったけれど、酷く心惹かれた瞬間の写真なのです。
苺は、地元のものがいいですね。本当に甘くて美味しい。私は昔の経験上食べ過ぎには注意をしているのですが、先日の苺は本当に美味しくて、手を止めることが出来なくて困りました。庭に苺があるのですね。それは素敵。うっかりすると鳥がついばんでしまいますからね、良く見張っておかないと。私の家でも苺に砂糖と牛乳をかけて少しつぶして食べました。時々苺に母が泡立てた生クリームを乗せたりもしたけれど。私が関心を持ったのはイチゴ寒天。これは是非食べてみたい。我が家ではそんな洒落たものはついに一度も登場しませんでしたから。
猫は不思議。猫が家に来てから、色んな不思議を教えて貰いました。そうして人間を考えさせるのですよ。どうしてなのかしらって。

2015/05/26 (Tue) 19:34 | yspringmind #- | URL | 編集

いつもカメラをかばんの中にですか。 瞬発力が要りますね。これっと言うときにすぐ撮る瞬発力。
イチゴ牛乳かんは牛乳かんのなかにただ苺が入っているだけですが、ときどき熟れすぎた苺が安く売ってるときに作ってくれていました。学校から帰ると冷蔵庫の中につめたい寒天がはいっていて、美味しかった。
猫は必要なときに必要な人のところにやってくるんですって。yspringmindさんは 不思議 が必要だったのでしょうか?

2015/05/27 (Wed) 13:10 | kimilon #036/uE16 | URL | 編集

こんにちは、yspringmindさん。
いろーんな形が並んだイチゴ見てみたいです!
母にも見せてやりたいです。
どうしても忙しいと毎日が生活に追われ大切な素朴な大義名分というかまういう部分を忘れすが、一旦休みも目先が変わりいいですよね。

そうですよね、どれも美味しいイチゴにはかわりない!!
そこだと思うんですよね、私が子供心に違和感を感じたこと。
あー、イタリア人のイチゴ農家が来てこんな売り方も世界ではあるのさと見せてくれたら、さぞ驚くでしょう!
「どれもおいしいイチゴにかわりない」に何故だかすごいインスピレーションを感じます。まえ、yspringmindさんが、昔住まわれていた街に空き地がなくなり日本にもう少し余裕があればと書かれてましたよね。
このイチゴの話も、すばらしい技術は技術です。変な形をはねることに、違和感を感じてしょうがないのです。お金にするために取り除かれるイチゴ。お金になるかならないかが、強くなっているみたい。
子供の世界でも、大人の世界でも。
私が子供の頃は、お金は確かにみな必要でしたが、目に見えない大事なものがあることを大人はきちっと分かって大切にしていたやさしさがありました。
今は、あれがほしいこれがほしい、何を持っているかと商業ベースで、目に見えないものを大切にしていた時代は終わるのですかね。
「どれもおいしいイチゴ」、
「どの子もいつの時代もかわいい子供」、「どこも住みよい街」、「どの人も同じいい人」と言い換えたらどうかなーと思って書き換えてみました。
わたしは、いい子供の時代をすごせました。子供たちには、いつまでも子供らしい子供の時代を過ごしてほしい。
私が感じていて、前からもやもやしてしょうがないことが少しすっきりします。どれも美味しいイチゴ…
すべてに通じることに思えて仕方がないのです。

2015/05/27 (Wed) 14:35 | つばめ #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

kimilonさん、瞬発力はあまりないので頻繁にチャンスを逃します。でも、そんな私でも時々素早い動作でカメラを取り出して気に入りの一枚を撮ったりすると、はははー、カメラを持っていてよかったなー、なんて思うのですよ。イチゴ寒天は牛乳寒天の中に売れた苺を入れるんですね。それは早速試してみたいですね。私にも作れそうではありませんか。
ところで私は不思議が大好き。猫は、だから私のところに来たのかもしれませんね。

2015/05/28 (Thu) 22:01 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、こんにちは。そもそもイチゴの粒が揃っていなければいけないなんて、ナンセンスだと思うのですよ。人間だって100人居たら100の色だというのに。同じに揃えようとする理由は何でしょうか。例えばですね、私について言えば、一般的な形や大きさ、色とは異なる苺みたいな存在です。でも、それは素敵なことだと思うのです。だってみんなと同じだなんて退屈ではないですか。苺も、ほら、私はこんなに赤いのよ、ほら、私はこんなにふっくらしているのよ、と主張し合っていてもいい筈なのです。事実、私が買ったばらばらの形の苺は、どれも大変甘酸っぱくて、形や大きさを楽しみながら全部美味しく頂きましたよ。

2015/05/28 (Thu) 22:12 | yspringmind #- | URL | 編集

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