雨に強かに濡れて緑が美しい

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今日も雨。更に気温が下がって、外ばかりでなく家の中も冷え込んでいる。雨が降っているのは嫌だったが、家の中に居ると気分がクサクサしそうなので思い切って外に出掛けた。珍しいこと。いや、全く私にとっては珍しいことであった。

街を歩く人々の装いは、まるで3月のよう。防寒ジャケットを着て、首にスカーフを巻き付けている。私の厚着が目立たないくらい、誰もが着こんでいた。何しろ15度もない。旧市街の中心でバスを降りて散歩を始めたが、ふと思いついて髪を切りに行った。このところ髪の毛が言うことを聞かなくなくて困っていたのだ。土曜日とは言え、こんな雨降りならば客人も少ないに違いなく、あまり待たされることもないだろうと思って。予想は的中。早々に髪を切り終えて、再び散歩を始めた。時は昼時を少し過ぎた頃だった。こんな寒い日は、エノテカ・イタリアーナへ行こう。小さなパニーノを作ってもらい、それからワインを注文した。この店のパニーノは、家で作るような、ごまかしなしのパニーノだ。マヨネーズやソース類は無い。だから安心なのである。素朴で安全で美味しい。実に私好みだった。新聞を読みながらパニーノを齧り、ワインを飲んだ。本当に簡単な昼食。でも、何時の頃からか胃袋が小さくなってしまった私には、十分だった。支払いをする前にカウンターに立ち寄って仕上げのカッフェを注文した。と、カウンターの中に居る女性が、私達は知り合いですね、何処で知り合ったかは思い出せないけれど、と言った。私は彼女の顔をじっと見て、はてな、そうだったかしらと思いながら、しかしこの声には覚えがあると思い、もう一度彼女を見た。あ。分かった。フランス屋よ。あなた、フランス屋で働いていたでしょう? 私はそう言うと、彼女は、ああ、思い出した、と言って顔中に笑みを湛えた。私が仕事帰りに時々立ち寄るフランス屋に居た女性だった。とても感じが良くて、若々しくて、だからてっきり若いお嬢さんかと思っていたら、もう大きな娘がいると知って驚いたことがあったっけ。彼女はあの後、あの店の仕事を辞めて、この店で働くようになったそうだ。何時もワインと接していたいのかもしれない。私達は街でばったり会った旧友のような気分になって、あれからどうしていたのかを報告し合った。勘定を済ませて、声を掛ける。またね。近いうちにまたね。彼女が其れに応じる。また今度。待ってますから。
フランスのワインを頂きたいときはフランス屋へ、イタリアのワインを頂きたいときはエノテカ・イタリアーナへ。客の立場の私は気分によってどちらにも行くことが出来る。選ぶ自由を与えられていること。私はそれを幸運と呼ぶ。たとえそれが小さな、他愛無いことであっても。

テラスに出しておいた猫草の鉢。雨に強かに濡れて緑が美しい。水分をしっかり補給して葉の勢いも素晴らしい。ジャスミンの花が雨に濡れて、輝いている。私にとっては憂鬱な雨も、植物にとっては恵みの雨だ。


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コメント

こんにちは、yspringmindさん。
雨が早くあがって、とってもかがやくほどまぶしいお日様に会えますように。
ジャスミンの花はいい香りがするのでしょうか。

2015/05/25 (Mon) 14:26 | つばめ #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

tつばめさん、こんにちは。今日も雨が降っています。外の雨を見るたびに日本の梅雨を思い出します。雨に濡れたジャスミン。その匂いは素晴らしいのですよ。

2015/05/26 (Tue) 19:12 | yspringmind #- | URL | 編集

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