春と初夏の間で

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Via Farini のポルティコの下の白いつつじの花が美しい。白いつつじ。私が思春期を過ごした家の辺りは、この季節になると市が植えたに違いない白いつつじの花が咲きそろってとても美しかった。私が生まれて10歳まで暮らした土地を離れ、その町に住み始めたことを私は子供なりにあまり好ましいとは思っていなかったけれど、しかし5月になるかならないかの頃になると一斉に白いつつじが咲く様子を見ると、その町での生活も案外楽しくやっていけそうな気がしたものだ。もう遠い昔のことだけど、白いつつじを見ると決まって思い出す。多分それくらい、子供だった私は白いつつじの群れの美しさに魅了されたのだろう、とポルティコの下を歩きながら思う。

暖かい日が続いている。壁に這う植物の緑色が美しい。昼間は25度にもなるので、半袖姿も良く見かける。この調子、この調子。この春と初夏の中間の気候が暫く続くと良いと思う。うっかりすると暑い夏になってしまうボローニャ。こんな素敵な気候を堪能しない手は無いのである。そんな今日、郵便受けの中に白い封筒を見つけた。時々封筒が入っているが、大抵光熱費や電話料金の請求書といったあまり嬉しくない類の封筒。それから随分前に入っていた薄緑色の封筒を見つけた時の落胆と言ったらなかった。薄緑色の封筒は交通違反の罰金の通達。例えば信号無視とか、スピード違反。うちが貰った罰金は決まりよりも時速3キロ超過の為だった。ああ、残念。100ユーロ弱の罰金だった。あの日以来、薄緑色の封筒が再び届きやしないかと怖くて仕方がないのである。それで今日の封筒は、いつもとちょっと様子が違う。と取り出してみたら、北欧に暮らす友人からの郵便物だった。封筒は開けた形跡在り。中を見たら小さな紙切れに友人の走り書き。野菜の種とキャンディを同封すると書かれていたが、私の前に封筒を開けた主はキャンディを抜き取ったらしく、野菜の種しかなかった。北欧の人達はこんなキャンディを好んで食べるのです、と書かれていた。いったいどんなキャンディだったのだろう、と好奇心が湧くが、どうしようもない。野菜の種が抜き取られていなかっただけでも運が良かったと思うことにしよう。そしてこの運が良い種を早速蒔こうと思った。実のなる野菜の種。テラスの陽当りの良い場所に置いたら、すぐに発芽するに違いない。こんなに暖かいのだから。こんなに良い気候なのだから。

夕方になると向こうの空が急に黒くなり、風に乗って家の上まで流れてきた。雨は降るのだろうか。この様子では今夜は月を望めそうにない。


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コメント

こんにちは、yspringmindさん。
北欧のキャンディ気になります。

2015/05/10 (Sun) 15:47 | つばめ #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、こんにちは。北欧ではみんなこんなキャンディを鞄の中に忍ばせている…という文面でした。益々気になるでしょう?

2015/05/10 (Sun) 17:33 | yspringmind #- | URL | 編集

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