くしゃみと猫の不機嫌

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うちの猫は昨日から機嫌が悪い。理由はいくつかある。いつものように6時にご飯の準備をしなかったことがひとつ。しかし週末の朝食は平日よりも遅めになることは暗黙の了解となっていた筈だから、我慢してもらいたいところである。其れからいつもの土曜日よりも外にいる時間が随分長かったこと。でも、私だって外の時間を楽しみたいことがあるのだから、理解してもらいたいところである。しかし最後のひとつは猫の不機嫌に一理あり。出先で犬に大変好かれた私は、すり寄ってくる犬を思い切り可愛がってしまったものだから、衣服に犬の匂いが付いたらしい。そんな風にして家に戻ったものだから、猫の怒りようと言ったらなかった。犬が怖いとかではないらしい。思うに、私と言う猫が居ながらどうして他所の犬を可愛がるのよっ、と言った種の、つまりや嫉妬みたいなものだ。だって私は犬も好きなのよ。と言って聞かせてみたけれど、猫にそんな話が通用するはずがない。だから可愛い可愛いと思い切り可愛がってみたけれど、暫くすると少し離れたところに背を向けて腰を下ろした。どうやら、私は怒っているんです、の表現らしい。人間に感情があるように、小さな動物にも感情がある。私はこの小さな感情を出来る限り尊重したいと思うのだけど、案外難しいものである。

昨日の旧市街散策。バスの窓から七つの教会群の前の広場で月に一度の骨董品市が開かれているのを見つけた。てっきり来週だと思い込んでいたから、急に飛び込んできた楽しみに胸を躍らせた。幾つかの小さな用事を済ませてから広場へ行くと、先月よりも出店の数が多く、集まった人も多かった。3月とはそうした月なのかもしれない。冬眠していた動物たちが屋外に出てくるみたいな。次々と店を覗いて歩いた。古い本を置く店。此処には何時も沢山の人が居る。戦前の本が置かれていた。紙の色こそ変わっているが、敗れるでもなく、製本した糸がほつれるでもない。沢山のものが焼けてなくなったのに、この本がこうして生き残ったことに私は小さな感動を覚えた。どんな人が買い求めるのだろう。読みにくい字体で綴られた詩集。その斜め前に私の好きなボタンを売る店。時間をかけて探してみたが、これだという物に巡り合えなかった。形やデザインが気に入っても大きさが合わなかったり。まあ、簡単に巡り合えないから探し物は楽しいのだけれど。その後ぐるりを一周して中央辺りで小さなテーブルを見つけた。部屋の片隅に置くと丁度よく、大き過ぎず小さ過ぎず。白いペンキで塗られていたが、その半分は剥げ落ちてしまっていた。木製で、木は朽ちていたが、釘の形も素材もそれほど古くない。感覚的には好みだけれど、店が求める価格に私の気持ちが同意できず、見せて貰った礼を言って店を離れた。そう言えばと思って辺りを見回した。昨年の今頃、絵画を並べていた店が見当たらない。癖のありそうな見るからにボローニャ人と分かる店主が幾つもの絵を並べていた、あの店。手が出なくて諦めた絵があった店。商売を辞めたのだろうか、それとも暫く休暇なのだろうか。元気ならばいいけれど。
収穫はゼロ。でもよく考えれば毎月収穫がゼロで、私はそれを楽しんでいるのかもしれなかった。素晴らしい出会いとは、そんなに頻繁にあるものではない。手になかなか入らない。なかなか出会えない。だからこそ、其れに出会えた時の喜びは大きいのだ。物ばかりではない。例えば人間同士も同じことだ。

3月8日は女性の日。イタリアでは男性が女性にミモザの花を贈って感謝する日。ミモザの花が街に現れると、ああ、春になったのだと思う。言うなれば、春を連れてくる日と言っても良い。黄色いミモザの花。愛らしい花。ただ、少し問題がある。私のアレルギー。嬉しくも有難くも、ミモザの花粉がくしゃみを招く、今日はそんな女性の日。


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コメント

写真の中の鏡にボローニャのオレンジ色と青い青い空が見えていますね。まだ 肌寒くてコートを着ていても 青い空があるだけで 気持ちはぐんと春にちかずきますよね。
テーブル 残念でした。でも 簡単に見つけられないところが 探し物の楽しみ。
うちの猫 最近は春の呼び声に引き寄せられて、アパートのあいている扉から 3回も脱走しました。そろそろ 田舎の家に連れて行くときが来たようです。 彼は 3月末から11月まで 田舎の家暮らしなのですよ。 トカゲを追いかける庭があり、ネズミを探す屋根裏がありですもの。
今週は良いお天気が続くと良いですね。

2015/03/09 (Mon) 10:48 | kimilon #036/uE16 | URL | 編集

こんにちは、yspringmindさん。

いいお天気なのですね。
鏡に青空がうつって気持ち良さそう。
こんな鏡やテーブルが青空の下、ぽんとあっち向いたりこっち向いたりして置かれてて、あー、古いものでも今も現役の家財道具としてあたりまえに使われようとしてるのですね。

2015/03/09 (Mon) 14:44 | つばめ #- | URL | 編集

昔飼っていた犬が同じような態度を取ったのを思い出して笑ってしまいました。
猫と遊んできた私の匂いをしきりに嗅いで、わざとらしくクシャミを何度もしたのですよ。

イタリア人の友達とメールをしていて、クシャミってイタリア語でなんて言うんだっけ?と調べていたところに、タイムリーにyspringmindさんのブログのタイトルがクシャミで、可笑しくてこれも笑ってしまいました。

2015/03/10 (Tue) 15:30 | micio #O/XG6wUc | URL | 編集
Re: タイトルなし

kimilonさん、こんにちは。ここ数日のボローニャは、まだ寒いのに空だけは青くて明るくて、とても気持ちが良いのです。冬のオーバーコートも帽子も手放すことは出来ないけれど、足取りはとても軽いのですよ。
小さなテーブル探しはこれからも続きます。案外、探すことに喜びを感じているのかもしれませんね。今度は旧市街にある古道具屋さんに立ち寄ってみます。いつも店が閉まっていますが、どうやら奥の方で修復作業をしているようなのですよ。
あら、kimilonさんのおうちの猫ちゃんは3月末から11月まで田舎の家暮らしなのですか。其れは素敵。猫ちゃんも楽しみにしていることでしょう。

2015/03/10 (Tue) 22:18 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、こんにちは。今週いっぱい晴天続きだそうです。そう言う訳で散策を満喫しています。
この骨董品市は結構面白くて、私は毎月楽しみにしているのです。がらくたや単なる古い物に見えますが、本物の骨董品もあります。ヨーロッパの人は古いものをそうそう捨てることはありません。また、古いものをわざわざお金を払って買ってきては、手入れをして家で使います。偽物はそんな風に復帰することは稀ですが、本物は必ずそんな風にして人の生活の中に戻ってくるのですよ。

2015/03/10 (Tue) 23:51 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

micioさん、こんにちは。昔飼っていた犬・・・あの臭いとか汚いとか言うとトボトボお風呂に歩いていく、あの犬ですね!micioさんに付いた猫の匂いを嗅いでクシャミを何度もしたとのことですが、私が可愛い可愛いと撫でた犬も、私に付いた猫の匂いを嗅いだのか、幾度もくしゃみをしていました。猫アレルギーかなあ、なんて冗談言って笑っていたのですが。うちの猫は機嫌が直ると、今度はぴったりくっついて全然離れてくれなくなりました。

2015/03/10 (Tue) 23:59 | yspringmind #- | URL | 編集

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