憧れ

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真面目な私はいつも1月2日より働いているが、今年に限っては6日まで休み。別に不真面目になった訳ではない。単に職場が6日まで休みと決めたからである。でも、これは本当に有難い。さもなければ私はまた生真面目に2日から仕事を始めていただろう、他の人が来なくても。それは別として、私は決めたのだ。今年から生真面目さはとりあえず箱に閉まっておこうと。もう少し肩の力を抜いて、休みをどんどんとろうかと。その気になれば3か月間丸々休むことが出来るほどの有給休暇を持っているのだ。3か月間休むつもりはないにしても、数か月に一度の割合で休暇をとって小旅行を楽しもうではないか。

昔、夢を見ていた。私が13歳になった頃のことだ。今までヨーロッパに憧れたことは無いと思っていたが、いいや、そうではない。私はあの頃、様々なヨーロッパの町にこっそり心を寄せていた。頂き物のベルギー製チョコレートがあまりに美味しくて、ベルギーの町を訪れたいと思って図書館で写真集のページをめくったこともあった。母が聴いていた音楽が素敵で、パリを歩きたいと思ったこともあった。時々映画音楽を聴いていたのは母だっただろうか、4つ半年上の姉だっただろうか。其の中にはヴェネツィアを舞台にした映画音楽もあって、私は見たこともない運河と呼ばれるものを想像しながらヴェネツィアの街を彷徨った気分になったりした。どれもこれも手の届かない憧れに思えた。ヨーロッパなどと言う遠い外国に行けるのは稀な人々、特別な環境の人々だけだと思っていた。アメリカは近く感じたがヨーロッパは海の向こう、更に大陸のもっと先、手が届かない宝石のような街だと思っていた。だからこそ、美しい思いを抱いたのかもしれない。私は思春期をそんな風にして過ごした。アメリカを身近に感じていたのには理由がある。周囲にアメリカ人家族が存在したからだ。でも何処を探したって、ヨーロッパなどという遠いところから来た人は居なかった。そんなことも手が届かないと思った理由だったかもしれない。いつの日か私がボローニャに暮らすようになると、誰もがそんな遠くへ行ってしまうなんてと思った。家族も、友人も、知人も、近所の人達も。いつか私が子供だった頃に思っていたみたいに。

イタリアに暮らしてもうじき20年が経つ。此処に暮らせば近隣国にひょいと足を延ばすなんて簡単なこと、と思っていた。昔憧れたパリ。小さな宝石のようなチョコレートがショーウィンドウに並ぶベルギー。どれもこれも可能なのだと。なのにまだ一度だって実現したことが無い。ならば実現させてみよう。パリ。そうだ、パリだ。今年はパリへ行こう。挨拶だけでなく街の人とひと言ふつ言話せたら楽しいだろうから、フランス語も勉強してみようか。性格に合わぬ言葉と知っているにしても。何しろ今年は休暇をとって小旅行を楽しむと決めたのだから。肩の力を抜いて生活すると決めたのだから。

ゆっくり毎日が過ぎてゆく冬の休暇。とても必要だった。


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コメント

働き方、暮らし方を一度立ち止まって見直すことは良い事だと思います。以前は時間に余裕があったのですが、何年か前からか超多忙生活になり、現在も超多忙生活進行中なので、今年はyspringmindさんのように小旅行を楽しもうかなと考えています。自分の心身をケアすることは自分にしかできないことですからね。

しかし、20年もイタリアで生活していながら近隣諸国に足を延ばしたことがないなんて、、もったいないです。パリ、ぜひ行って下さい。パリは若い頃に行ったきりなので、私も仏語、もう一度学び直してみようかなぁなんて気持ちが沸き起こりました。

2015/01/03 (Sat) 05:27 | アルプス #- | URL | 編集

明けましておめでとうございます。
今年は肩の力を抜いて生活すると決められたのですね。パリ、ぜひぜひ行かれるといいですね!yspringmindさんの切り取るパリ、ぜひ見てみたいです。

パートナーの方がイタリア系アメリカ人であるのをきっかけにイタリア語を勉強している友人がいます。先日書かれていたイタリア語習得の話しを読んで、ぜひ彼女に伝えてあげようと思いました。きっと励みになると思います。

yspringmindさんも今年はフランス語にはまったりして・・・笑。わたしも今の学校が一区切りついたら(と言っても数年先のことですが)また言語の勉強をしてみようかなあ。知らない言葉が意味を持ち始めて、その新しい言葉を通じて他人と意思疎通ができ始める時ってほんとにわくわくしますよね。
お店の人との会話をひときわ楽しまれるyspringmindさんだったら、フランス語が少しでも話せたら旅行の楽しみ具合もきっと違ってくるような気がします。

今年も楽しみにお邪魔して読ませていただきます。

2015/01/03 (Sat) 07:38 | mk #- | URL | 編集

私は最近日本語づくしなんです。もうなんでもかんでも日本語ばかり。確かに、私が学生のころ一番はじめに夢をみたのは、とおい国の石でできた建物でした、それをローマのおパンテオンと知るのは、世界史の教科書を開いてからになりますが、憧れという気持ちはいつまでものこる物なのでしょうか?私にとってイタリアは憧れの土地なのです。
ここに住んでいて、ここでできることをちっとも果たしていないのは私も同じです。
遅くなりましたが、
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2015/01/03 (Sat) 21:30 | inei-reisan #pNQOf01M | URL | 編集

はじめまして。いつもボローニャの四季折々と詩的な写真の詰まった御ブログを楽しみに読ませていただいている者です。ひっそりと読んで楽しんでいるだけでコメントは初めてで恐縮しております。。
私はベトナム系フランス人と結婚しており、現在パリ在住です。去年の春先に、主人が仕事の出張のお伴としてボローニャに連れていってくれました。そこで、御ブログを大変参考させていただきました!ありがとうございました。旅行者に役立つアドレス云々とかではなく、ブログ主様が切り取られたボローニャの生活風景を、旅行前から繰り返し眺めてはウットリしていました。心の準備を整えていたというか。。 実際に訪れたボローニャの街は本当に素晴らしかったです。私の中では、フィレンツェやローマを軽く凌ぐ素敵な街でした。春のしとしと雨の中、ポルティコの下をそぞろ歩き、おしゃれなお店のウインドーを冷やかしながら、疲れたらコーヒーを飲んで。。。御ブログの写真で見た風景を見つけて喜んだりしてました(笑)。ボローニャは街歩きがとっても楽しいところですね。なんというか、ブログ主様の文章に触れていたせいか、はたまたボローニャという土地と天候のせいか、なにか内省的な、メランコリックな気分にさせられる、でもそれが決して不快ではなく、かえって心地よい感じでした。
私もパリに住んでいるけど、なかなか欧州内を気軽に旅行しないです・・!いつでも行けるだろうと思うとなかなか行かないものなのでしょうか。。でも、時々旅行するとやっぱりいいなぁ、旅は、、と思いますよね。いつかまたボローニャ再訪したいです。本当に良い所ですね。素敵なものがギュギュッと凝縮された街だと思います。

パリにも、ぜひいらしてください!パリは、ヨーロッパの中ではかなり都会なほうなので、都会っぽい殺伐とした場所も多いですが、セーヌ川沿いや、モンマルトルの丘の裏道とか、詩情の漂う場所もたくさんあります。ブログ主様がどんなパリの風景をカメラに捉えるのか楽しみにしていますね。

今後もブログ、お邪魔させてくださいね。

2015/01/04 (Sun) 01:07 | miki #- | URL | 編集

こんにちは、yspringmindさん。
あこがれが実現に届くことがあるのですね。パリに実際行かれたら、ぜひおいしいチョコレートを。

2015/01/04 (Sun) 14:35 | つばめ #- | URL | 編集
明けましておめでとうございます。

今年も宜しくお願いいたします。

パリもいいですが、南フランス(プロバンスなど)も素敵で感動しますよ。
フランスでもイタリアと同じようによく話しかけられたのですが、残念なことに、フランス語はじぇんじぇん頭に入ってこないんですよ、、、。
何気ない会話ができたら更に楽しいのではないかと思うのです。

2015/01/04 (Sun) 17:33 | micio #O/XG6wUc | URL | 編集
Re: タイトルなし

アルプスさん、こんにちは。時には立ち止まってみるのはいいですね。私は案外生真面目なので、時々そんな風にして自分を見直してみる必要があるのです。夢中になりすぎていないか、頑張りすぎていないか、肩に力が入りすぎていないか。年をとった分だけ自分と上手に付き合うことが出来るようになりましたが、、もう少し、もう少し緩めてあげないと…。人生を楽しむ、それが私の一生の目標なのかもしれません。
近隣国。フランスにしてもドイツにしてもスペインにしてもまだ訪れたことがありません。勿体ない話ですねえ。元気に歩けるうちに訪れようと、今年から小旅行を楽しみますよ。フランス語は発音が私の問題です。どうしてもあの鼻に抜けるような音が、喉から息を吐くような音が出せない。でも、気持ちを新たにチャレンジしてみますね。アルプスさんも一緒にいかが。

2015/01/04 (Sun) 20:34 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: Re: タイトルなし

> mkさん、明けましておめでとうございます。肩の力を抜いて暮らすって簡単なようで案外難しいのかもしれませんね。でも試みて見なければ。春か秋に、3,4日パリに行きたいと考えています。私が心に描いているパリと同じなのか、全然違うのか。今からとても楽しみなのです。楽しみのひとつは歩くこと、もうひとつは街の人と言葉を交わすこと。
> イタリア語を勉強しているご友人が居るんですね。話したいと言う気持ちがあればいつかきっと。私のフランス語の勉強も差の頃の自分を思い出しながらの再開です。
> 思うに言葉とは、人との交流に必要な言葉。言葉が分かることで世界が広がるなんて素晴らしいことだと思いませんか。話好きで知らない人とも平気で話をしてしまう私ですから、旅先で話が出来ないと楽しみが半減してしまうのですよ。さあ、どうでしょうか。発音が苦手なフランス語ですが、今度は途中で放棄しないように頑張りますよ。うふふ。mkさんも一緒に如何かなあと思うんですけど。
今年もお付き合いお願いします。

2015/01/04 (Sun) 20:46 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

inei-reisanさん、こんにちは。学生のころ一番はじめに夢をみたのが遠い国の石でできた建物・・・とは、流石に建築を学んでいたinei-reisanさんらしいですね。ローマのおパンテオンでしたか。昔の憧れって大人になっても忘れないものですね。そしてその憧れをいつか掴みたいと思うものなのかもしれません。憧れの土地、イタリア。いい響きです。是非、今年は憧れの土地にいらしてください。ボローニャに立ち寄ってワインでも付き合って貰えたら嬉しいんですけど。
今年もお付き合いお願いします。

2015/01/04 (Sun) 20:53 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

mikiさん、はじめまして。雑記帖を楽しんで頂いているとのこと、嬉しく思いました。ありがとうございます。パリにお住まいなんですね。憧れのパリ。パリに住まわれているあなたが、どんな小路を歩いているのだろうとか、どんなカフェに通っているのだろうとか、パン屋さんとどんな話をするのかしらとか想像が尽きません。
昨年の春、ボローニャに来られたとのこと。この雑記帖が何かしらのお役に立てましたか。私はお店の名前を覚えるのが苦手と言うか、多分店の名前に関心がないのだと思うのですが、どの辺のどんな感じの、どんな店主のいる店、そんな風に記憶する習慣があるので、旅行者に役立つような情報を記すことが出来ないのが欠点なのですよ。
ボローニャは、内省的な、メランコリックな気分にさせられる、でもそれが決して不快ではなく、かえって心地よい感じ、との印象だったそうですね。嬉しいですねえ。私の感じるボローニャは閉塞的で息がつまりそうだけど、実は人間味たっぷりで昔ながらの良い習慣を大切にする人が暮らす町、知れば知るほど好きになる、そんな町です。まだまだ飽きそうにありません。
ああ、それにしてもパリ。憧れのパリですからね。春か秋を目標に。今から夢が広がります。
これからもお付き合いお願いします。

2015/01/04 (Sun) 21:10 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、こんにちは。憧れをそのままにしておくのはもったいない話です。今年から少しづつ実現させたいと思います。旅を楽しくするためにも、少しばかりフランス語を。

2015/01/04 (Sun) 21:23 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: 明けましておめでとうございます。

micioさん、明けましておめでとうございます。南フランスの素晴らしさも人から沢山聞いています。でもまずはパリ。憧れでしたからね。何しろ人と話をするのが好きなので、フランス語を勉強しようと思いました。まあ、少しづつ。若い時のように習得は出来ないのは承知の上で。でも、始めなければ何時まで経っても身に付きませんからね。頑張ります。
今年もお付き合いお願いします。

2015/01/04 (Sun) 21:31 | yspringmind #- | URL | 編集

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