そうだ、窓ガラスを磨こう

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今日は朝から天気が良く、窓ガラスに光が反射してキラキラと輝いていた。実はこれには理由があって、それは昨日、よしっ、と意を決して窓ガラスを磨いたからだ。人は家じゅうの窓ガラスをどのくらいの頻度で磨くのだろうか、と思う。例えばイタリアでは、特に年配の主婦がいる家庭では、窓ガラスを3日に一度磨いているようである。と言うのも以前住んでいた家の近くでも、其のもっと前に住んでいた家の近くでも、それから姑が元気にしていた頃も、3日ほど経つとガラスを磨きだすのだ。綺麗好きと言う聞こえが良いが、これは一種のマニアだろう。それとも時間を持て余していて、ガラスの曇りや指紋などが気になってならないのかもしれない。少なくとも私は時間を持て余していないし、そんな暇があれば少しでも多く散歩をしたい。窓ガラスばかりではない。彼女たちは週に一度カーテンを洗って外に干している。私はそれを眺めながら素晴らしいと感嘆し、しかしカーテンの洗濯は月に一度で充分だと呟く。兎に角、私は窓ガラスを磨いたのだ。一番高いところは椅子に乗って腕を長く延ばしても届かぬほどの高さである。曇りが無くなるまで磨いた甲斐あってとても綺麗になった。この家に越してきたのが7月。それ以来磨いていなかったから随分汚れていた。もっと頻繁に磨いていたらよかったのかもしれないけれど、でも、私は窓ガラスを磨く作業が嫌いなのである。事実、今朝は窓ガラスに光が反射して綺麗だと喜びながら、私は酷い筋肉痛。首の後ろから肩、背中の筋と両腕の痛みで、朝方目が覚めたほどである。窓を磨くという作業は、普段の生活にはない体の動きなのであるから。

アメリカに暮らしていた頃、窓を磨いていて、危ないよ、と注意されたことがある。アメリカで二番目に借りたアパートメントでのことだ。私は友人たちとアパートメントをシェアしていて、部屋には大きな出窓があった。窓は道に面して大きいのがひとつ、その左右に角度を変えてひとつづつあった。そして、各窓は上下に二等分されていた。下の窓を上に引き上げる式の、あれである。内側を磨くのは簡単だったが、外側を磨くのが問題だった。考えに考えた挙句、私は窓から外に出て横の窓を拭くことにした。高所恐怖症の私とて、このくらいは大丈夫と思っていた。何しろアメリカで言う二階に住んでいたからだ。これが三階四階ともなれば、思い留まったに違いないけれど。それで私は風雨に汚れたガラスを磨いていたのだ。前の住人が磨いたかすら疑問なほどの汚れだった。すると階下に住んでいた管理人のおじさんが、確かロイと言う名だった筈だが、お嬢さん、そんな危ないことはしてはいけませんよ、と柔らかく叱りつけるのだった。ならばどうやってこの汚れを綺麗にするのかと問えば、それは難しい問題だという。釈然としないが、彼の声に驚いて外に出てきた近所の人たちが注目しているのでは仕方がない。私はオーケイと片手をあげて彼にサインを送ると、そそくさと部屋の中に引っこんだ。おかげで一度だって綺麗になったことは無い。内側からしか磨くことが出来ぬ出窓のガラス。
それを思えばイタリアの窓は良い。窓が外に開くのではなく、部屋の中に開くから内側も外側も綺麗にできるという仕組みなのだ。と、力説すると、其れならもっと頻繁に磨けばいいのにと相棒に諭されたが、いいや、君、何も私だけの仕事ではないのだよ、君がしたって良いのだから、と返したら、バールに行ってくると言って逃げられた。もっとも彼にはこんなに綺麗に磨くことは出来ないだろう、と私は心の中で含み笑いをするのだ。

綺麗な窓ガラスから見る夕日の美しいこと。しかし夕日は驚くほど速く退散して暗闇がやって来る。明日から気温がぐっと下がるそうだ。冬の到来と言ったら早すぎるのかもしれないけれど。


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コメント

窓ふきのはなし、おもしろいですね。年配の女性はよく窓ふいたり、カーテンも洗う回数多いのですね。すごーい、元気いいですね。洗いやすいカーテンでないと、生地傷みそう。
アメリカの窓掃除文化は無いのかな?そんなことないでしょうが、たとえば雨が洗ってくれるとか、それとも自然が広大で窓の汚れごとき気にならないひろーい広い気の持ち方なのでしょうかね。
yspringmindさんはいろんな窓ふきを経験されてるからおもしろいですね。日本も今ねいろんな家の形が建ってますからいろんな窓がありますね。こんなにいろんな形の家が建っても許される国も懐が深いというかなんというか。お祭り騒ぎです。
写真の窓の上の手すりがすごい美意識出てますね。うらっかわまで模様着いてる。煉瓦の壁も寒いからでしょうね。相棒さん、パールに逃げましたかー。今日も長々と。

2014/11/17 (Mon) 16:45 | つばめ #- | URL | 編集

イタリアの女性はよく窓を磨くと誰かのエッセイでも読んだことがあります。
窓が内側に開くと聞いて納得!それならわたしでもできるかも。
いや、3日に一度ということはないと思いますが。というか1ヶ月に一度もないなあ。
そう言えば先週末、うちの夫がそろそろ窓を磨かかないとと話していました。
窓磨きが嫌いなわたしは、さりげなく励ましつつ、さりげなく先送りしておきました。

今年もあと6週間!今年はいつもにも増してはやい気がします。
夏時間が終わり、こちらも帰り道が暗くなってきました。

2014/11/18 (Tue) 08:33 | mk #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、こんにちは。イタリアの一般家庭のカーテンは、大抵手洗い出来る生地なので、年配の主婦たちはカーテンの匂いと汚れが気になってならないようです。少しグレードアップした家は重々しいカーテンを使い、ソレラハやはりクリーニングに出さねばなりません。うちにカーテンは、ちょっとこだわって繊細な生地にしたので、多分乾くのは早くていいかもしれないけれど、あまり頻繁に洗うと傷むのではないかと思います。かと言って、クリーニングには出したくないんですよねー。
ところで写真はスペイン風の建物だと思います。窓の上には小さなテラスがあって、テラスの裏側には美しいタイルが貼られていました。とても良い趣味だと思います。大抵テラスの裏側は傷みが早くて美しくないですからね。
相棒は、頻繁にバールに逃げます。とてもイタリア人的だ、と笑ってしまいますよ。

2014/11/19 (Wed) 00:17 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

mkさん、こんにちは。そうですか、誰かのエッセイにも書かれていましたか。と言うことは、本当にどの町の人も窓を磨くのが好きなんですね。昔イタリアに暮らし始めた当時、窓が内側に開くのをあまり美しくないと思ったのですが、今思えば機能的ですよね。私は正直言って窓を磨く作業が嫌い。あの動きが良くない。床を磨くのは全然苦でないのにね。窓ガラスが綺麗だと気持ちが良いですが、暫くは嫌ですね。相棒をそそのかしてみましょう、年末辺りに。
もう直ぐ11月も終わりで、いよいよクリスマスツリーを飾る時期ですよ。寒くも美しいシーズンですね。

2014/11/19 (Wed) 00:23 | yspringmind #- | URL | 編集

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