ボローニャの夏

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微風が吹く火曜日。昨日のことを思えばなんと過ごしやすいことか。勿論日差しは強く、気温も負けず劣らず高いけれど、しかし何か違う。昨日とは何かが違って過ごしやすいと感じる。理屈はどうでもよい。過ごしやすいと感じつことが大切だ。

15時を回る頃、家を出た。何処へも行かずにボローニャに残っている人達の大半が昼寝をしているか家の中でのんびり過ごしているであろう時間帯に家を出たのは、そんな時間帯のボローニャの街がどんなであるかを見たかったからだ。そもそも私は人混みが苦手。人のいない時期に旅をしたり、そうでなくても人が居ない場所を選んで歩くのだから、こんな時間帯に出掛けたいと言うのも無理はない。暑いだろうけど日陰を選んで歩けばよい。喉が乾いたら、そうだ、先日見つけたワインの店に入ってみよう、などと思いながら。
交通渋滞は全くない。大通りとて走る車がまばらである。ついでに言えばバスの本数もひどく少なく、もうすぐ溶けてしまいそうだと思う頃に向こうの方からのこのこやって来た。この時期のバスは信用がならない。19年前のあの暑い夏の日に、何時間も待った経験があるから私はとても慎重だ。もっともあの時は、夏の間はバスが通りません、の記載がバスの停留所にあったのに、イタリア語を読めなかった私が悪いのだけど。もっともそんなことを通じて田舎の見知らぬ人達の親切に預かって嬉しかったのだけど。
旧市街は案の定店がほとんど閉まっていて、もぬけの殻状態だった。そんな中をそうとは知らずにやって来てしまった旅行者と何かの理由があって街に残った人たちがまばらに歩いていた。私も何かの理由があって街に残った人、そう思えばよい。本当は何の理由もないけれど。どの店の前にの夏季休暇のため何時何時まで店を閉めます、の看板が掲げられていたが、その中に元気に一言SUMMER BREAK と記されている店があった。店を閉める期間は何処にも記されていない。気が向いたら来週あたりに開けるのか、それとも9月まで開けるつもりはないのか、さっぱり見当がつかないが、その潔さには脱帽だった。こんな店が一軒くらいあっても良い。大通りはともかく、少し入ると人は殆どいない。
2006年の夏も私はこんな風にボローニャに残って、街をひとりで歩いていた。あの年は6月に丘の町ピアノーロに家を購入して、修復作業をしていたのだ。何しろ古い家で、何から何まで直さねばならなかったから、お金は湯水のように流れ出て行った年だった。だからボローニャに残ったのは賢明な選択だったし、そうでなければいけなかったような感じでもあった。かと言って、折角の3週間もある夏休みにボローニャにばかりいるのつまらないもので、其の上、友人と言う友人は皆、どこかへ出掛けてしまって寂しいことこの上なかった。そんなに手が掛かったあの家を2012年の年末に売ってしまった。私達はやはりボローニャの街に暮らすのが好きなのだとようやく分かって。それだから、こんな風にボローニャの夏を噛み締めるのは8年振りと言うことになる。まあ、たまにはいいさ。

有名なチョコレート店、MAJANI の前を通りかかったら、此処にも休暇の貼紙あり。でもその長さは半端ではない。6月27日から8月31日迄とあった。チョコレートは溶けるから夏場は販売しないもの、と言うのがこの辺りの常識であるが、そうか、2か月間の休暇なのか、とここでも脱帽する私であった。MAJANI が重いシャッターを下ろしたこの通りは、まるで世間から見放された通りのように見える。誰もいない。そんなボローニャの夏。


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コメント

光と影がきれいな写真ですね。

2014/08/12 (Tue) 22:47 | つばめ #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、ありがとうございます。実に閑散としたボローニャらしい写真が撮れたと、撮った本人、大変満足しています。それにしても休憩しようと思っていたワインの店も夏休みでした。

2014/08/12 (Tue) 23:18 | yspringmind #- | URL | 編集

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