明るい空。休暇の始まり。

P1010543 small


夕方、ジェラート屋さんに立ち寄った。それはいつものCAPO NORDではなく、旧市街に入って直ぐにある、もうひとつのお気に入りジェラート屋さん。此処に初めて入ったのは数年前の8月初めの暑い土曜日の午後だ。早くも多くの店が閉まって休憩する場所を探すのが大変だった。一緒にいた友人の提案で、以前から気になっていたこの店に入ることになった。あの日以来、この店が好きだ。全然モダンな感じのしない、それどころか少々時代遅れな感じの店構えと内装が、客の気持ちを落ち着かせる役割を果たしているかのようだ。小さなテーブル席が壁沿いに5,6個設けられていて、家族や友達で賑わう、そんな店だ。一昨年前から夏も冬もよく行くので、店の女の子と気軽に話をする仲になった。もっとも私達は互いの名を知らないし、この店で会うだけの単なる顔見知り程度なのだけど。店はいつも混んでいて、6月くらいから何時立ち寄っても客が20人近く順番を待っている。ジェラートの季節であるには違いないが、それにしたってこんなに人気があるなんて。季節によって様々な種類が登場するこの店のジェラートだから、それに全くの本当に手作りだからファンが沢山いるだろうとは想像していたけれど。ところが今日の夕方に限っては店の中は空っぽだった。扉を開けて店に入る私を認めるなり、彼女が明るい声で迎えてくれた。あらあら驚き、先客がいないなんて、と言う私に、全くその通りだと頷きながら彼女が笑う。常連客は皆休暇に入ったらしかった。ここ数日こんな感じで、だから今夏は長く夏季休暇の為に店を閉めるのだと彼女は言った。話によると来週から9月4日までだそうで、こんなチャンスはまたとないから充分楽しんでおかなくてはと彼女は喜んだ。其れでお客さんの夏休みはと訊かれたところで客がふたり入って来た。近所に住んでいるらしい常連客だった。アルフォンソだかアルマンドだか、アメデオだか、兎に角年配の、この辺りに長く暮らしているらしい客だった。私はお喋りを辞めて椅子に座って注文したジェラートを頂いた。するとまた次の客が4人。そして次の客が2人。そうしている間に店の中は20人ほどの客で埋まり、大変なことになった。こんなに沢山の客を彼女ひとりでさばけるのだろうか。彼女の方を見ると、目をぐるりと大袈裟にまわして私に見せた。さっきまで客がひとりも居なかったのにねえ、と言っているように見えた。私が注文したのは二種類のジェラートにカッフェを上から注いだCaffè Affogato。カッフェに溺れたジェラートとでも言い表そうか。普通にジェラートも良いけれど、たまにはこんなのもいい。特に何時もより少しだけ贅沢したいとき、気持ちを盛り上げたいときなど。さあ、彼女はいよいよてんてこ舞い。でも助っ人は現れず、笑顔を湛えて次から次へと注文を訊く。人でいっぱいになった店内、幾つもあったテーブル席はすべて埋まり、さらに人が入ってくる。私は場所を譲るべく、席を立った。ジェラートを盛りつけるのに夢中な彼女に声を掛ける。またね。休暇を楽しんでね。彼女は顔を上げて笑顔で答える。またね。9月に会いましょう。 

外に出ると夏の夕方の空気。一頃に比べて日照時間が短くなりつつあるけれど、それでもやはり夏である。19時になっても明るい空。皆が夏の休暇を楽しむ8月。明日から私も夏季休暇に入る。何処へ行く予定もない、ボローニャに居座る夏季休暇。自由な時間を堪能することにしよう。


人気ブログランキングへ 

コメント

手作りジェラートおいしそうですね。20人あっという間に、たくさんのお客さんですね。老若男女好きなですね。カッフェ、今度バニラアイス買ってきてかけてみようかな。

2014/08/09 (Sat) 09:24 | つばめ #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、ジェラートに注ぐのは濃い目のカッフェが良いです。苦いカッフェとジェラートが絶妙に絡み合って、それは病みつきになる味です。試してくださいね。

2014/08/09 (Sat) 23:55 | yspringmind #- | URL | 編集

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する