仲間

DSC_0025 small


昨晩は雨が上がって涼しい道を北東へと車を走らせてボローニャ郊外に暮らす友人の家を訪問した。年明けに誕生した赤ん坊は元気に育っているようで、人見知りもせずに愛想を振りまく。きらきらしたものが好みらしく、例えば鞄の留め金とか、指輪などを発見しては目を見開いて喜ぶ。皆の人気者の赤ん坊はそのうち愛想を振りまき過ぎて疲れたらしく、皆が大きな声でお喋りし続けるのも気にせずに深い眠りに入った。赤ん坊とは、何て素晴らしいのだろうと美しい寝顔を眺めながら皆が囁く。ほんとうに、まったく。

ところで私と相棒が彼らの家に到着したら他の友人たちがテーブルに着いていた。一組の夫婦は近所に暮らすカルロとパトリツィア。もうずいぶん前に年金生活に入っていて、元気と資産がふんだんにあるので、一年の半分以上が旅行だ。そんな彼らは数日前にイギリスとスコットランドの旅から帰って来たばかり。2年前に新調した最新の設備が整うキャンパーで、彼らは気が向くと旅に出る。今回の旅もまた、そんな風にして出発して、2か月近く糸の切れた凧のようにヨーロッパの北のほうを彷徨っていた。とても良い旅だったらしく、大変ご機嫌だった。彼らに並んで一組の男女が。どうやら夫婦者らしく、しかし私は彼らを知らない。それでいて男の方がチャオ、と気軽に挨拶するので、さて、私達は知り合いだったでしょうか、と年上の彼に丁寧な言葉で訪ねると、彼は少し困ったような表情をした。すると周囲に皆が、なんだ、なんだ、忘れたのか、近所の床屋のモレーノを、と言うので私はすっかり仰天してしまった。私の知っているモレーノは、そしてつい最近あったモレーノは、短い髭で顔の下半分をすっかり覆っていたモサモサのモレーノだからからだ。彼は少し恥ずかしそうに、モレーノです、髭をすっかり剃りました、と言って笑いながら、隣に座っていた妻を紹介してくれた。しかし私はまだ戸惑っていた。何故髭を剃った、と問い詰める私。暑いから毎夏すっかり剃るのだと答える彼。こんな顔だったとは知らなかったとまだ驚きを隠せずに言う私に、周囲はあははと声をあげて笑った。モレーノが、僕もこんな顔だったことを夏になると思い出す、と言うので、私達は心底笑った。親しい仲間と美味しい料理があれば文句なし。その上、美味しい冷えた白ワインがあれば、これ以上のことは無い。私達は時々眠っている赤ん坊に気をつけて声のトーンを落としては、また別の話題で盛り上がり、気がついたらすっかり零時を回っていた。

だから今日は大寝坊だ。寝坊しても誰が困るでもないけれど、久しぶりに夜更かししたので調子が出ない。やはり24時にはベッドに入るのが健康的な生活と言うものらしい。明るい空。降り注ぐ太陽の光。週末は楽しいから、いつも急ぎ足で通過してしまう。


人気ブログランキングへ 

コメント

髭の話、そんなに顔が違って見えるんですね。遅くまで時間を忘れて話せる友達はなんて素敵なんでしょう。

2014/07/28 (Mon) 13:47 | つばめ #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、こんにちは。もし相棒が髭ずらだったとして、髭をある日さっぱり剃り落したとしても、それほど変化が無いに違いないのです。妙にさっぱりしたね、くらいのものでしょう。ところがモレーノの場合、別人でしたよ。月曜の今日になっても、モレーノを見た時の驚きを思い出しては、改めて驚くのです。それにしても、持つべきものは仲間、なのです。

2014/07/28 (Mon) 22:54 | yspringmind #- | URL | 編集

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する