女友達

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今日はイタリア共和国建国記念の日。この日が来る度に、イタリアが共和国であることを思い出す。普段私達は単にイタリア、イタリアと呼んでいるから。テレビや新聞などで時々、イタリア共和国は・・・などと表現されているのを聞いたり目にしたりすることはあっても。そう言えばミラノの日本領事館で様々な書類手続きをする時にもはっとさせられる。現住所の欄に日本語で書き込むのだ、ボローニャ県、エミリア・ロマーニャ州、イタリア共和国と。あまりの仰々しさに初めは驚いたけれども、実を言えば未だに驚きを感じるのだ。それは、新鮮と言い換えても良いかもしれなかった。

天気が良いが外に出掛ける気がさらさらない祝日。別に体調が悪い訳でもなく、ただなんとなく家に居たい気分だった。家の中の整理を始めたところ携帯電話にメッセージが送られてきた。ジョからだった。私の周囲にはジョと呼ばれている人が幾人かいる。階下に暮らす男性のジョ(ジョヴァンニ)、それから近所のバールで働くペルー男性のジョ(ジョシュア)、そして女友達のジョ(ジョヴァンナ)。でも今日のジョは女友達のジョ。彼女の相棒が運営しているカフェに小さな赤ん坊を連れてきているらしかった。やっと5か月目を迎えたばかりの赤ん坊が4月に水疱瘡に罹って大騒ぎをした。抵抗力が十分でないために医者の判断で入院もした。小さな赤ん坊を抱えてジョが心配で潰れてしまいそうだったのは離れていても想像が出来て辛かった。やっと赤ん坊が元気を取り戻して外に出られるようになったらしい。カフェに居るから遊びに来ないかとのことだった。外に出る気はさらさらないと言いながら、ジョが来ているならば話は別だ。彼女は此処から30キロも北の方に暮らしているので、なかなか会えないからだ。赤ん坊が生まれてからは特に。私は家の中を簡単に整頓してから外に出た。平日のカフェは忙しいが、祝日のカフェは静かだった。多分こんな晴天だから多くの人が3連休を利用して海へと出かけているに違いなかった。ジョは私よりずいぶん若い。なのにこんなに気が合うのは何故だろう。彼女が大人なのか、私が精神的に成熟していないのか。何かしらの答えはあるに違いないが、敢えて探したことはない。私達は単に気が合うのだ。それでよいではないか。赤ん坊は私達大人のお喋りに耳を傾けているように見えた。金色の柔らかい髪。天使の髪の毛と呼ぶのがぴったりな髪。私達は会えなかった2か月間の穴埋めをするように話をしながら、時々赤ん坊に話しかけた。それはとても穏やかな初夏の午後で、私にも彼女にも必要だった優しい時間だった。私達は忙しい生活の渦に巻き込まれてうんざりしていたから、久しぶりに笑みを取り戻して安堵の溜息をついた。たまにはこうして会わなくてはね、と。昼間の強い日差し。しかし夕方には冷たい風が吹いて、首元を脅かす。だからスカーフは、いつも鞄の中にひそめておかなくてはいけない。薄いシルクのスカーフとサングラス。このふたつを忘れると、ちょっと困ったことになる。

3連休とは良いものだ。体の疲れがすっかり抜け落ちた、という感じがする。きっと皆も同じように思っていることだろう。テラスの前を行き交う燕たち。もうじき旅立つのだろう。そうして燕たちの姿が見えなくなると、ボローニャに本格的な夏がやって来る。


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