水色はいかが

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気に入りの店があればあるほど良い。例えばジェラート屋さん。一番大好きなのがとこかというのは難しいが、好きな店はと訊かれれば、私はまずはCapo Nordと答えるに違いない。旧市街を取り囲む環状道路から少し行ったところにあるこの店との出会いはもう21年前のことで、初めて相棒にくっついてボローニャに来た時のことである。美味しくて何回も通った。当時は全く小さな店構えで、しかし70年代に店を開けたとあって顧客が多く、この界隈の人達だけならず他の界隈からも車でやって来る人気の店だったから、店はいつも混雑していて注文するのが大変だった。列なんてものは存在せず、ガラスのショーケースの前に10人もの客がごった返しているのである。私は背が低いから他の客に埋もれてしまうのではないかといつも心配していたが、案の定私は埋もれてしまい何時まで経っても注文を取ってもらえなかった。でも、ある時、ぐずぐずしている私を不憫に思ったか、助けてくれる人が居た。もしかしたら私を子供だと思ったのかもしれない。何しろ背が低くておかっぱ頭で、化粧もあまりしていなかったから。そうして店の人がいつもより多くジェラートを盛ってくれたのは、やはり私を子供だと思ったのだろうか。最近Capo Nordに足繁く通っている。だから店の人の愛想もひどく良い。私が注文するのはいつも一番小さいサイズで、オリーブオイル入りのピスタッキオと何か他のをひとつ。それでどれにしようかと眺めていたら、驚くほど鮮やかな水色のジェラートがあった。これは最近登場したものらしく、説明書きが添えられていた。色は合成着色料ではなく、天然の海藻を使っているそうだ。だから体に害はないと言うことらしいが、それにしても水色とは。ちょっと驚きであった。美味しいかもしれないけれど、私は視覚的に水色のものはあまり好まないようである。数日後、旧市街のZanariniの前を歩いていたら目に飛び込んできた。ガラスの向こうに置かれた美しい菓子。これはどんな時に用いられるケーキなのか。とても美しくて好みだけれど、水色なのである。これもまた天然の海藻で着色しているのだろうか。じーっとそれを眺めている私の視線は思いのほか鋭かったらしい。店の中に居た人が心配そうに私を見ているのに気がついたので、気まずくなってその前を立ち去った。それにしたって菓子の世界はどんどん先に進んでいるらしい。水色はちょっと…などと言っていたら時代遅れになってしまうのかもしれないけれど、まあ、それもいいか。

これからの季節は気をつけねばならない。これから夏に向けてジェラート屋に立ち寄る回数が増えるだろう。店の前を素通りする勇気も必要だ。


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コメント

きれいなケーキ、ガラスの器にさしこむ光、はあーとため息が出るくらいきれいですね。
ジェラート屋さん、好みの味がある店!楽しみがあるのはすてきですね。

2014/05/20 (Tue) 01:25 | つばめ #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、こんにちは。最近この店のショーウィンドウは、こんな感じの素敵ケーキが飾られていて、道行く人たちの目を惹きつけています。私は昔から色のついた菓子が嫌いなのですが、それは多分昔は合成着色料しか存在しなかったからかもしれません。今は自然のもので美しい色を出すことが出来るのですから躊躇することもないのに、駄目ですねえ、水色は。
ところで、ボローニャには美味しいジェラート屋さんが何と沢山あることか。全く驚くほどですよ。

2014/05/21 (Wed) 22:45 | yspringmind #- | URL | 編集

チェントロからgiardini margheritaに出るのにVia Santostefanoを使うこともあります。
あの道、危険ですよね。。まず教会近くに一軒、道沿いに一軒、そして門を出てすぐにこのCapo Nord。魅惑が多すぎます、夏のボローニャ(苦笑

2014/05/22 (Thu) 16:23 | erieri #UEFYQuuE | URL | 編集
Re: タイトルなし

erieriさん、こんにちは。あの道は本当に素通りするのが大変なのです。途中の道を左に行って10mもしないところにも一見いい店があり、門の手前にも一軒新しいのが出来ましたから、益々大変ですよ!
でも、私はやっぱりCapo Nord・・・かなあ。他の界隈にもいい店が沢山ありますから、ボローニャの散策は全くやめられません。

2014/05/23 (Fri) 19:32 | yspringmind #- | URL | 編集

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