小さな拘り

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街で素敵な靴を見つけた。踵が高くない、柔らかい革で作られた靴。金色掛かったベージュ色で、マニッシュな紐靴。私はこの手の靴が大好きで幾つも持っているけれど、この季節に履くこんな色の靴は持っていない。お洒落な男性服を置く店の一角に女性ものが置いてある。一見男性向けに見えるこの店の前で足を止めてショーウィンドウを覗き込む女性はボローニャに暮らす人と言って良い。フェミニンなものはなく、マニッシュな女性服だけが並んでいる。其処にその靴はあった。いいなあ。よく見ると手前の小さなメモ用紙に値段が記されていた。それは今の私にはちょっと手をだし難い値段で、ふーっと長い溜息をついた。それにしても素敵だった。一体どんな人がどんな装いに合わせるのだろう。そう想像するだけでも楽しかった。そこから100m離れたところにある靴屋で同じような靴を見かけた。値段は3分の1。大変魅力的だけど靴の形が若干野暮ったい。靴の外側の、爪先へと向かう緩い曲線が何処となく洗練されていなかった。恐らくこれを購入しても一日で嫌になってしまうに違いなく、潔く靴屋の前から離れた。靴にしても何にしても拘りを持っているのは良いことだ。そんな拘りにかなうようなものを発見した時、人は歓喜するのだろう。勿論それを手に入れることが出来るかどうかは別にして。私にとってそれは靴であり、パンツの微妙なラインであり、そしてスカーフやマフラーを巻いた時にできるしわの出来具合だった。そう言うとお洒落さんのように聞こえるけれど、そうではない。ただ、そういうことに拘ってしまうだけだ。そういう人、世の中には他にも居るだろう、私のように小さな拘りを持つ人が。

96番のバスの始発場所の近くにある店で、日本を思い出させるドレスを見つけた。桜の花。これは一体どんな人が着るのだろう。店の前を通るたびに気になって仕方がない。すらりと長い足のお嬢さんが似合いそうな、奇抜な柄の赤いドレス。


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コメント

yspringmindさん、こんばんは。
一緒に「どれどれ?」とウィンドウを覗いている気分になりました。はは。
なぜひとのお買い物のお話がこんなにワクワクするのでしょうか。
私もメンズっぽいデザインが好きです。メンズの服や靴を見ながら、このデザインでレディースのサイズを作ってくれないかなあと思ったことは何度もあります。
まーでも、身体の凸凹が違うので、まるっきり同じというわけにはいかないですよね。

2014/04/01 (Tue) 15:23 | micio #O/XG6wUc | URL | 編集
Re: タイトルなし

micioさん、こんにちは。
買い物をするのも楽しいけれどウィンドウショッピングはもっと楽しい。素敵なものを見つけた時の、しかし手に入らない時の悔しさは、ちょっと愉快な感じがするのは私だけでしょうか。手に入らないからよいものもある。私はそう思うのですよ。
私はスカーフなども男物を敢えて買うことがあります。女性らしいものも良いけれど、ピリリとしたものが案外好きです。micioさんとは気が合いそうですね。一緒に買い物をしたら楽しいかもしれませんよ。

2014/04/01 (Tue) 20:37 | yspringmind #- | URL | 編集

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