近所同士

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再び寒くなったボローニャ。寒さが戻って来るとは聞いていたが、まさか10度も下がるなんて誰が想像しただろう。冬の帽子をクリーニングに出してしまったのを酷く後悔した。何しろもう2週間も必要なかったから、先週末に持って行ってしまったのだ。昨夕の寒さは堪えた。剥き出しになった頭を氷のように冷たい風が突き刺すようだった。息を吐くと白い煙となって空に立ち上る様子は、冬と呼ぶのがぴたりだった。ああ、また冬に戻ってしまったのか。そんなことを思いながら家へと続き道を歩いていたら、後ろから、どん、と何者かに追突された。

振り向くと、犬だった。同じアパートメントの階下に暮らしている犬で、Dado(サイコロ)と言う名前だった。ローマの何処かで生まれ、ボローニャにやって来た犬。小型犬と言う触込みで貰ってきたが、見る見る間に大きくなり、8か月を迎えた今は見事な大型犬になった。そういえば、飼い主がこの犬を連れてきた頃、こんな話をしたことがある。足を見る限り大きく成長しそうだと私が言うと、実は自分たちもそんな気がしてならないのだと言って飼い主は困ったように笑ったのだ。そのうち犬は近所の人気者になり、あちらからもこちらからもDado、Dadoと声が掛かるようになった。朝、私が家を出て庭を横切るとき、犬は必ず私の足音を聞きつけてテラスに出て挨拶をする。挨拶は2回の吠え声。それに気がついて私が手を振ると、犬は腰を下ろして私を見送るのだ。私達は特別共通の時間があるでもないが、妙にフィーリングが合うのだ。それで後ろから追突してDadoだけど、どうやら散歩の帰り道に私の後姿を見つけたらしかった。あなたを遠くから見つけたらDadoが猛烈に走り出して大変だったと飼い主が息を切らせながら言った。大きなDado。可愛いDado。あなたはまだ大きく成長するのかしら。と話しかけるとDadoは嬉しそうにしっぽを振ったが、飼い主はこれ以上大きくなったら大変と、あの日のように困ったように笑った。
向こうの方には隣の敷地に暮らす大きな猫。私と仲の良い猫。私が庭の前を歩いていると、どんな時も挨拶にやって来る猫。猫はこの辺りのどの犬よりも強く、犬なんか全然平気みたいな顔をしているが、Dadoだけは別らしい。優しい犬でむやみに吠えたりしないけど、何しろ大きいので猫はDadoにだけは弱いようだ。気の合う私が直ぐ其処に居るのにDadoが居るので近寄れない。足を踏み出したり後ずさりしている様子が可笑しかった。近所同士。いつか彼らが仲良しになる日は来るだろうか。そんな日が来るといいけれど。

それにしても寒い。多分これは冬の悪あがきなのだ。うん、そうに違いない。


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コメント

かわいいワンちゃんですね。ぶっかってくるとはとても気に入られてますね♪あっ、いた!という感じでしょうか。

2014/03/26 (Wed) 21:37 | つばめ #- | URL | 編集
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2014/03/28 (Fri) 02:29 | # | | 編集
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2014/03/28 (Fri) 02:38 | # | | 編集
Re: タイトルなし

つばめさん、こんにちは。犬はガタイこそ大きいけれどまだ子供で、嬉しいと感情を抑えることが出来ないようです。可愛いのですよ。後ろから追突されてコートの後ろが汚れましたが、可愛いから仕方がないなあ、と言う感じです。

2014/03/28 (Fri) 23:57 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

鍵コメさん、こんにちは。お元気そうで何よりです。引っ越しですか。車に荷物を詰め込んでの引っ越しは私や友人知人にはごく普通のことで、しかし大変なんですよね。今度暮らすところは美味しいものがあるようですね。美味しいものが出に入る場所に暮らすと言うのは幸運のひとつで、暮らしやすいと思うのですよ。私も引越し先がイタリアで本当に幸運でした。いろいろ有るけれど、これだけは本当に感謝なのです。新しい町での生活、楽しんでくださいね。…私もうまくすればもうすぐ引っ越しです。うふふ。

2014/03/29 (Sat) 17:28 | yspringmind #- | URL | 編集

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