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昨日から酷い暑さだ。金曜日の夕方、バスの中から見た街角のデジタル温度計が39度を掲げているのをみて、乗客の口々から漏れた深い溜息。バスの中は冷房が掛かっているが全く効きが悪く、皆息を止めてじっと我慢しているところに見てしまった39度に、もう我慢ができない、と、ついそんな溜息が漏れてしまったのだ。窓を開けても良いかと乗客の一人が運転手に訊けば、冷房が掛かっているから駄目だという。そんなことをしたら効きが悪くなるじゃないか、と。こんな不快な暑さな日は、すぐに口をつぐむのが良い。此処で乗客が、しかし全然効いていないじゃないかと言い返せば、あっという間に火がついて大喧嘩になりかねないからだ。賢い乗客は口を閉じて座席に戻り、他の乗客たちはもうひとつ深い溜息をついた。家に着くなり窓という窓を大きく開けた。この家は驚くほど風通しが良い。どんなに暑い日でも、家の中を風がひゅーっと吹き抜けて、全く涼しくて快適なのだ。ところがである。風が吹き抜けない。外で風が吹いていないからだった。此れには参った。風通しが良いばかりでなく陽当たりも抜群によいこの家だ。昼間の間に温まった空気がたちこめて、暑い暑い。ああでもない、こうでもない、とやっているうちに、一週間の疲れが吹き出したのか、ベッドに横になってみたらそのまま眠ってしまった。

目を覚ましたら朝だった。寝苦しかったとは言え睡眠時間だけは充分とった土曜日の朝は元気。まだ早い時間だったが、朝食をとり身支度をして家を出た。今日も暑くなる予報だったからだ。暑くなる前に家を出て旧市街を散策しようと思ったのだ。よく人に訊かれる。散策の何がそんなに楽しいのかと。此れを説明するのは実に簡単。単に好きなのだ。それから歩いていると色んなことを考えて、色んな新しい考えが沸き起こる。いつもの道なのに何年も暮らす町なのに、発見することは幾つもある。でも、此れを理解して貰うのは安易ではないようだ。大抵人は首をかしげて、宇宙人を見るような目で私を眺める。さて、まだ9時にもなっていない土曜日の朝の旧市街は歩く人も少なかった。それとも人々は既に休暇に出掛けたのかもしれない。どちらにしても人の少ない、まだ多くの店のシャッターが下ろされている時間にボローニャ旧市街を歩くのはとても素敵だ。少数の人達と街を貸切、みたいな気分。通りすぎる知らない人達と朝の挨拶を交わしながら歩くのはなんて気持ちが良いのだろう。人も車も少ないと、色んな音が聞こえてくる。其のひとつが鳥のさえずりで、其のひとつが自分の靴音だった。ポルティコのしたに響き渡る、カツン、カツンと靴の踵の音。それはちょっとした音楽のようで楽しかった。いつもなら素通りしてしまうような古い建物の入り口や窓。私は小さなそれらの前で足を止めて観察しながら店が開くであろう10時までの時間を過ごした。10時になり店が開き始めると、それを待っていたかのように通行人が増えた。私はそれに追いかけられるように角のカフェに飛び込むと、冷たいレモンジュースを注文して喉を潤した。さて、今日は此れでお仕舞い。気温が上がる前に家に戻るのが得策だ。夏のサルディの買い物を楽しむ人達を横目に、広場から出発するバスに乗り込んだ。うん、これは良い。来週もまたこんな風に朝の散策を楽しむことにしよう。勿論早起きが出来たらのことだけど。


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