日曜日のバール

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日曜日を迎えてほっと一息つく。と言っても何もしないでゆっくりの日曜日ではない。日曜日は必ず以前暮らしていたピアノーロへ行き、まだそこに住んでいる姑と日曜日の昼を一緒に過ごすからである。毎週。そう、毎週日曜日。だから何処か遠出することもなければ、友人知人と出歩くこともない。ピアノーロから戻ってくると既に早い夕方の時間帯だから、家の小さな諸々の仕事をして日曜日が終わっていく。つまらないと言えばつまらない。でも最近になってそんな日が週に一日くらいあっても良いと思えるようになった。

夕食後、相棒の提案で近所のバールへ行った。ちょっとした気分転換のために。店には居るとこんな時間に居る筈のないジャンニが居た。あらあら珍しいですね、と挨拶すると、ジャンニは事情があって昼と夜のシフトを交換して貰ったのだと言った。と、ジャンニは思い出したように私にけしかける。君の相棒が、最近君は出歩いてばかりいるといっていたが本当なのか、と。成程、寛大な相棒も週に4日も出歩いている妻には脱帽だったらしい。私は控えめに本当だと答えると、其れはいい、どんどん外に出るべきだ、と言って笑った。昔から女性は家の中に居るのが当たり前、夫を家で待っているような風習があるけれど、そんなの今時宜しくないという。君だって平日の日中は働いているのだから、家のこともしているのだから、時間を見つけて友達と外に出掛ける権利はあるのだよ。そう言ってジャンニは私の肩を2回叩いた。先月65歳になったジャンニ。此の理解の良さには私も驚いた。彼の妻も現役で働いているというが、きっとこんな風にしてジャンニは妻の良い理解者であるに違いない。私は大きく頷きながら、相棒の腕を引っ張る。ほらね、こんな風に言ってくれる人も居るよ、と。私たちは顔を見合わせて大笑いして、其のうち話は新しい法皇の話題に移り、バールに居た客たちがそれぞれ話し出した。話をまとめると誰もが新しい法皇を宜しく思っているらしい。理由はあの笑顔と人間らしさと高価なものを身につけない低姿勢だ。あの笑顔が何時までも消えないように、と誰もが心の中で思っているのを知り、笑顔とは何という宝であろうかと深く感じた。笑顔は大切。誰もが笑顔で居られたら良いのに、と思った。ふと思い出した。明日から2週間フランス旅行に出掛ける2人の若者のこと。ひとりは私の知り合いで、もうひとりは其の知り合いの恋人だ。車で北上してフランスの北の海を見たら南下してボローニャに戻ってくるらしい。只今来ている寒波のことを心配していたが、明朝無事に出発できるのだろうか。彼女たちの道のりに一足春がやって来て楽しい旅行になると良い。バールの人混みの中でそんなことを考えながら注文したカッフェを飲みほした。


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