冬の朝

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寒風だった。帽子を被らずに外に出たら寒風が頭を撫でて通り、あっという間に頭が冷えた。うっかり帽子を忘れてしまった。家に戻って帽子を目深に被って改めて外に出たが、もう手遅れだった。酷い頭痛が始まってしまった。冬は襟巻きと帽子と手袋、そしてブーツが必需品。うっかりどれかひとつでも忘れようものなら、忽ちこんな具合である。ボローニャに暮らすようになってそんな風になった。寒いはずだった。もうじき8時と言うのに気温は零下3度だった。

昔、私がまだ小さな子供だった頃、こんな寒い日には霜柱は出来た。アスファルトされていない道が沢山あって、私と姉はそんな道を歩いて学校へ通った。家から歩いて15分ほどの道のりだったはずだ。しかし私たち子供が歩くと妙に長い道のりに思えてならなかった。冬の朝は嫌いだった。窓から庭を眺めて地面が白くなっていると、見ているだけで寒く感じた。母に追い立てられるように姉と私は家を出て、庭に出るとサクッと音がするのだ。私が霜柱を踏み潰した音だった。霜柱は驚くほど美しく高さが2cmもあった。こんな日は木の葉までもが霜で白く覆われていて、北国に迷い込んだような気分になった。姉が私と一緒に登校するのが嫌いだった理由は私が酷くのろかったからだ。歩くのがのろいだけではなく、立ち止まって霜柱を観察したり、霜に覆われて見るからに寒そうな道端の雑草を眺めてみたりと、一向に先に進まないからだった。それでも姉が私を連れて学校へ向かったのは、勿論母からの言いつけであるからで、それから多分、それでも姉は私を好きだったからだ。寒い冬の日に、時々大きな氷柱をみることもあった。私はそんな氷柱をもっと近くで眺めたかったが、姉は危ないからといっていつも私の手を引っ張って後ろに下がるのだった。そうでなくともそそっかしい妹がこんな所で怪我でもしたら大変、と。私たちはそんな具合で、私たちは全くそのまま大人になった。姉はしっかり者で頼りになる大人になり、私は気ままで思いついたことを優先する小さな子供みたいな大人。寒風のせいで酷く頭が痛いくせに、そんなことを思い出してくすりと笑う。遠くに暮らす姉もまた、こんな寒い日にはこんなことを思い出したりするのだろうか。遠い昔の私たちの温かい思い出。


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コメント

急に寒くなりましたね。

去年まで普通に使っていた愛用の帽子、何故か今年はきついんです(笑
この歳で、頭って成長しましたっけ?
帽子が無いボローニャの寒風が頭に痛くて寒くて、寒い寒いと連発していたら、主人が帽子屋さんに連れて行ってくれました。
濃い青の帽子を買ってもらい、ちょっとご機嫌です。お散歩中も寒くないし、ね。

まだ根雪が残っていて路面がつるっつるですよね。
毎年一度は無様に転ぶので、今年は気をつけたいと思います。

2012/12/11 (Tue) 08:40 | erieri #.wMK.8Ds | URL | 編集

気が付いたら、冬でした


遠くの富士山が、綺麗です

2012/12/13 (Thu) 11:35 | 春風 #jgTtIlIo | URL | 編集
Re: タイトルなし

erieriさん、こんにちは。ボローニャの冬に帽子は欠かせませんね。昨冬の終わりに愛用の帽子をクリーニングに出したら・・・若干小さくなったらしくちょっときついのですよ。ああ、残念。erieriさんのも縮んでしまったのかもしれませんね。それにしても寒いです。クリスマス前にもう一降りしそうな予感がしませんか。雪でも凍った道でも滑らない靴でお出掛けくださいね。

2012/12/15 (Sat) 00:13 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

春風さん、こんにちは。本当!気がついたら冬になっていました。雪景色は美しいですが、やはり雪も寒いのも苦手です。でもそんなことを言っているうちにまた穏やかな春が訪れるのでしょう。

2012/12/15 (Sat) 00:15 | yspringmind #- | URL | 編集

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