ボローニャ生活

Immagine 122 (Small)


10月にしては温かく、秋と呼ぶにふさわしくない。と、テレビでジャーナリストが言っていた。確かに温かい。特に此処2,3日は寒がりの私とて温かいと思うのだから、世間の人にしてみれば暑いと表現するのかもしれなかった。けれども店先に並ぶ果物や菓子店のショーケースに並ぶ菓子たちを見る限り、確かに秋がやってきていると感じる。それからカップチーノがとても美味しい。これも秋ならではの実感だ。私を軸にして周囲が変化しようとしている。考えることが沢山ある。することも沢山ある。そうでなくとも季節の変わり目に弱い私だ。そんな訳で最近朝起きるのが酷く辛い。心身ともにぐったり、と言うのがぴったりだけど朝が来たら起きなくては。頑張れ、頑張れと自分に言い聞かせながら1日を過ごす。そのうちまた落ち着いた生活が戻ってくるからと自分を宥めながら。そんなことが昔にもあった。ボローニャに来たばかりの頃、それからアメリカに暮らして半年が経った頃にも。アメリカへと飛び出したのは誰に頼まれたわけでもなく、自分が望んで行ったので泣き言を言っている場合ではなかった。いや、私は若かったから、自分に自信があったから、何が何でも泣き言など言うまいと心に誓っていたようだ。だから辛いときにはラジオの音楽にあわせて歌ったり、悲しいときは友人を誘ってカフェに行って楽しいことを話してみたり、心身疲れたときはベッドに潜り込まないで、街を闊歩してみたり。そうでもなかったら私は自分の意に反して泣いてしまいそうだったから。ベッドに潜り込んだらば二度と出て来れなくなるのではないかと思ったから。そんな私のことを見透かしていた友人たちは多分傍から心配していたに違いないが、誰一人それを口にすることは無く、私がそれを打ち明けるまで黙って待っていたようだ。私にはそれが有難くて、だから尚更言うまいと思っていた。怖いものなど何も無く、自分次第で全てがどうにかなると信じていた。私は若かったのだ。今から21年も前のことなのだから。思うに、あの頃のそんな経験は私も財産のひとつになっているようだ。無駄なことなどひとつも無い。例えそれが嬉しくない経験だったにしても。あれから何年経っても私は少しも変わっていない。ただあの頃ほどのエネルギーは無いので幾分控えめに。大きな溜息が出そうなときにはマロングラッセをつまみ、がっかりしたときには飛び切り美味しい赤ワインを頂く。私はいつもそんな風で、単純な性格であることを心から感謝する。ところで私を取り巻く騒ぎが終わったら、ひとつ自分にご褒美を、と考えている。ええ、またご褒美かい? と相棒に言われそうだけど。うん、ご褒美は何度あっても嬉しいものなのだ。


人気ブログランキングへ

コメント

こんにちは。

あ~マロングラッセ、おいしいですよね~
友人がボローニャに来た時、土産として買ったものを一つだけつまみ食いしたら、大粒でとてもおいしかったので、barで二人ですべて食べてしまった事を思い出しました。
東京で祝日も出勤していると、なぜかボローニャのマロングラッセと焼き栗が無性に食べたくなります。
yspringmindさんが羨ましいです。

2012/10/08 (Mon) 07:49 | Via Valdossola #P6wRKz4w | URL | 編集
Re: タイトルなし

Via Valdossolaさん、こんにちは。マロングラッセって、何であんなに美味しいのでしょうね。あれは私の、秋と冬の大の仲良しの友達みたいな存在です。それにしてもお土産として買ったものをふたりで全部食べてしまっただなんて、よほど美味しかったんですね。一体何処のマロングラッセだったのかしら、と想像しているところです。マロングラッセを求めてボローニャに久しぶりに来てみてはいかがでしょうか。

2012/10/09 (Tue) 21:28 | yspringmind #- | URL | 編集

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する