館のテラスから

Immagine 026 (Small)


数日前、エンツォ王の館の扉が開いていたので中に入った際、私は上の階の広々としたテラスから前方に広がるネプチューン広場を眺めた。こんな風にゆっくり眺めるのは久し振りのことだ。多分1年振りだった。大体、館の扉が開いていること自体珍しいことなのだ。次にこうして入れるのは、また1年後なのかもしれないのだ。クリスマスの買い物か、其れとも私のように散策を楽しんでいるのか、人々がジャケットやコートで身をしっかり固めて広場を行き交う様子を眺めながらふと思い出した。それは寒い冬のことではなくて、何故か真夏の、暑くてどうにかなってしまいそうな夏の日の真昼のことだった。土曜日だったと思う。私は買い物をするでもなく、本を探すでもなく、また友人と待ち合わせがあるでもなく、カメラを持って歩いていた。こんなに暑い日に旧市街を散策している自分に呆れながら。何しろ真昼だったので日陰を探すもあまり無く、ポルティコのない辺りは頭上から照りつける太陽の光で路面が焼けてしまいそうだった。それだから広場にはあまり人が居なかった。太陽からの逃げ場が無いからだった。ところがネプチューン広場の噴水を取り囲むようにして若者達が集っていた。旅行者のように噴水を背景に写真を撮るでもなく、ただ噴水の下に腰を下ろして。あんな日向に何故、と不思議に思いながら横を通り過ぎようとしたら、分かった。彼らは噴水の飛沫で涼んでいるのだった。なーに、濡れたって直ぐ乾くのだ。何しろ35度もあるのだから。若者らしい涼み方に成る程ねえ、と私は通り過ぎていった。私はそんな涼み方よりも木陰の下と歩いたり、ひんやりした空気の詰まったひと気のないポルティコを歩くほうが好みだけど、皆それぞれの方法で気持ちよく過ごそうとするものだ、と思いながら。冬場の噴水は旅行者が写真を撮る以外に近寄るものは無い。噴水の飛沫で湿っているし、寒い時期にこんな風通しの良い場所で寛ぐ理由も無いからだ。それも後数ヶ月すれば春がやって来て、再び人々が此処に集うようになるのだろう。冬になったばかりなのに春だなんて。しかし案外春はあっという間にやってくるのかもしれないと思いながら、そんな冬の風景を眺め続けた。


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コメント

フローレンスからボンジョルノ

タイトルを見て即イタリア語に訳してました。
勝手にご自宅? テラスのある邸宅かい?って。
夢の膨らんだタイトル なんかグッドです。
それにお写真も。 良いですね こんなアングルも。
では また おジャマいたします。 

2011/12/15 (Thu) 11:38 | FLORENTIA55 #NN0jmGmk | URL | 編集
Re: タイトルなし

FLORENTIA55さん、こんにちは。
確かに家にもテラスはありますが、館って感じではありません。うん、全然そんな感じではありませんよ!
この館のテラスからボローニャの地上を眺めるのがすきなんです。今度ボローニャに来られたら是非お試しくださいね。

2011/12/15 (Thu) 23:28 | yspringmind #- | URL | 編集

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