祝日

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まだ眠っているうちに頭痛が始まった。浅い眠りの中で、ああ、また頭痛か、と思った。もう少し眠れば治るに違いないと思いながら温かい居心地の良いベッドの中でぐずぐずしていたが、一向に良くならないので観念して起きることにした。12月8日、祝日の朝である。頭痛には少し前の体調が優れなかった頃に散々悩まされた。それでこれは体調が悪くなる兆候なのではないかと心の底で溜息をついた。と、思いついた。そうだ、美味しいカッフェを頂いたらどうだろう。イタリアではよく言うのだ、頭痛の時にはカッフェが利く、と。それでいつもよりも丁寧にカッフェを淹れて、いつものビスコッティで軽い朝食をとった。面白いことに朝食を終える頃には頭痛は殆ど無くなって、先ほどの頭痛はどうやら空腹に因るものであることが分かって苦笑した。健康な証拠である。健康であることを感謝しながら家の中をあっという間に片付けると、私は身支度をして外に出た。旧市街へ行くのである。何しろ良い天気なのだ。こんな日は家の中でじっとなどしていられない。今日は祝日だけどクリスマスを控えているので旧市街の殆どの店が開いていて、それを知っているボローニャの人々が皆旧市街に来てしまったのかと思うほどの混雑であった。この時期になると人々の装いを見るのが楽しい。12月だから、クリスマスが近いから、と人々はいつもより少し着飾って街に繰り出す。私が一番気に入ったのはバスで途中から乗ってきた老女。彼女は上等の、つやのある黒いオーバーコートに美しい柄の絹のスカーフ、そして真っ赤なフェルトの小さなつばのある帽子を被って私の隣に腰を下ろした。多分彼女は80歳を超えていて、しかし自分の足が元気なうちは自分ひとりで動き回るわよ、みたいな勝気で元気な女性なのだ。何処へ行くのか、もしかしたら昼食会に呼ばれているのか、兎に角大変素敵であった。さて、街の中心のエンツォ王の館とポデスタ宮殿で催し物があった。エンツォ王の館の内部は見たことがあるがポデスタ宮殿に入るのは初めてのことだった。催し物も面白かったが私は宮殿内のフレスコ画が美しくてまるで美術館にいるような錯覚に陥った。昔ここではどんなことが行われていたのだろう。大きな窓から広場を眺めながら人々は何を感じ、考えたのだろう。人の波にひとり外れてそんなことを思った。1日の始まりは冴えなかったけれど、久し振りに気分の良い、素敵な気分の1日であった。


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コメント

こんにちは。
yspringmindさんが、以前お書きになっていた、ロッソ・ディ・モンタルチーノを、たまたま見つけたので、味わってみました。
とても飲みやすく、おいしかったです。
すーっと身体にしみ込んで、ふわっと、とてもよい気持ちになりました。
また、おいしいワインがあれば、教えてください。

2011/12/09 (Fri) 14:05 | Via Valdossola #P6wRKz4w | URL | 編集
Re: タイトルなし

Via Valdossola さん、こんにちは。ロッソ・ディ・モンタルチーノを試されましたか。飲みやすくてい美味しい上に冬場は体がぽーっと温かくなっていいですよね。世の中にはもっと高価で美味しいのもありますが、そういうのは特別な機会に頂くとして、普段のちょっと美味しいはこのくらいが良いと思いませんか。また美味しいのにめぐり合ったらお知らせします。

2011/12/09 (Fri) 23:48 | yspringmind #- | URL | 編集

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