歳が離れた妹

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気持ちの良い日が続いている。9月早々こんな気持ちの良い日が続くのは珍しいことである。大抵は夏の色が強く残っていて暑い暑いと文句のひとつもふたつも言うのだが、今年に限っては気分爽快の一言に尽きる。そしてやっと通常のボローニャに戻った感じがする。旧市街の気に入りの下着屋さんも長い夏期休暇を終えて営業をしているし、いつものバールのジャンニもモニカも休暇を終えて働いている。何時ものところに何時もの人が居るのは嬉しいことだ。安心感に似た喜び。ところで私は待っていたのだ、下着屋さんが開くのを。それで昨日の帰り道、下着屋さんに立ち寄った。この店に来るのは久し振りだった。多分誰でもそうなのではないかと思うけど、少なくとも私は下着屋さんに頻繁に足を運ぶタイプではない。言うなれば必要に迫っていくことが多く、靴屋のように気軽に中に入ることは無いのである。店が閉まる30分前だった。店内には誰も居なくて、入り口のベルを鳴らすと奥から何時もの女の子が出てきてくれた。イタリアの店はしばしばそうだ。入り口に鍵が掛かっていて、だから店に入る際にベルを鳴らして鍵を開けてもらうのだ。私はこの店の常連客ではない。でも嬉しいことに彼女は私をちゃんと覚えていてくれる。まあ、こんにちは。お元気でしたか。と彼女の年齢にしては丁寧な口調で迎えてくれた。いつも私はこの店に来ると驚くのだけど、彼女は会うたびに美しくなっていく。初めて会ったときは何処にでも居そうなおくてな感じの女の子だったが、前回会ったら華やかな雰囲気になっていた。そして今回は華やかさは控えめだったが彼女が内側に持っていた美しさが花開いたらしく、同性ながらもその魅力に感動した。シンプルな服装だったが、それが尚更美しさを引き立てていたのかもしれなかった。私のそんな感動を他所に彼女は私に次から次へと話しかける。夏の休暇のこと、最近関心を持っていること。まるで昔からの知り合いのように、色んなことを共有しようと言うかのように。私と彼女は随分歳が離れているが、彼女にはそんなことは関係ないらしい。年齢の割には冷静で大人びた考えを持つ彼女は、ひょっとしたら年上の友人知人が沢山居るのかもしれないと思った。買い物を終えて時計を見ると閉店時間を随分すぎていた。さあ、もう帰らなくてはと腰を上げ、挨拶をして店を出た。次に来る時にはまた美しくなっているに違いない彼女。ちょっと心配、悪い虫がつかなければ良いけれど、と私は歳が随分離れた姉か叔母のような気分になって、ひとりでこっそりと苦笑した。


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コメント

買い物は出来るだけお店の人と会話の出来るところに足を運びます。デパートやスーパーはなにもいわなくっても買い物できてしまう寂しさがそうさせるのかもしれません。でも滅多に会うこともなくそれでも短い時間を共有できる人達を探してしまうのは秘密の宝探しに似ています。

2011/09/09 (Fri) 09:14 | basilea #V1zXMXvE | URL | 編集

花が咲いたように・・・心配もあり、わくわく感も・・・
そのような時に 戻りたい
あああ 無理かな~

2011/09/09 (Fri) 14:38 | 春風 #jgTtIlIo | URL | 編集

ご無沙汰しています。お元気ですか?
ボローニャもほんと、通常に戻ったって感じですネ。
なんだか最後はニッコリしてしまうようなお話で、私も思わず彼女の内側の美しさが花開いた原因は何かな~^^と勝手に色々想像してしまいました。
最後はほんと、yspringmindさんと同じ気持ちです~悪い虫がつかないといいですね~笑。

ほんとこっちの人達って、年齢とか関係なく色々話したり付き合えるのがいいなぁと思います。

2011/09/09 (Fri) 17:01 | Bolognamica #2Qwf./yA | URL | 編集
Re: タイトルなし

basileaさん、こんにちは。デパートやスーパーは何も話さずにことが済むので簡単で良いといえば良いけれど、個人商店で店の人と話しながら買い物をする楽しみを覚えてしまうと味気なく感じるものですね。昔は前者を好んでいたのにボローニャに暮して少しした頃から個人商店を好むようになりました。それは大変ヨーロッパ的だと思いませんか。

2011/09/11 (Sun) 01:09 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

春風さん、こんにちは。確かに彼女の年齢の頃は思い出しても楽しくて刺激的でたまらない頃でしたよね。
あの頃に戻りたいと私も時々思うのですが、20年もすれば今現在の年齢の思い出も刺激的なのかもしれませんね。もっとも花が咲いたように・・・とは行かないかもしれないけれど。

2011/09/11 (Sun) 01:13 | yspringmind #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

Bolognamicaさん、こんにちは。元気にやっていますよ。
ボローニャはすっかりいつもの通りです。まるで何事も無かったみたいに。ただ、人々の焼けた肌が確かに楽しい夏を私達は通過したのだと思い出させてくれますね。
イタリアの人は年齢に拘らず誰とでも楽しく話す術を知っていると思いませんか。此処に暮し始めた頃はそれが不思議に見えたのですが、気がついたら私もそんな風になっていました。文化の一つなんでしょうね、話すということが。それはイタリアで生活する中で見つけたお気に入りのひとつです。

2011/09/11 (Sun) 01:18 | yspringmind #- | URL | 編集

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