トスカーナの寄り道

Immagine 068 (Small)


トスカーナの小旅行の途中、ちょっと寄り道した。この村の名前は何といっただろうか。兎に角旅行者が殆ど来ない村らしく、実に暢気で気持ちが良かった。家で家族と昼食を終えた人達がバールの店先に椅子を並べてカッフェを楽しんでいた。面白いことに老若含めて皆男性であった。女性は家で片付け物をしているに違いなく、その合間にカッフェをいただいているのかもしれなかった。以前まだ姑が元気だった頃、彼女がそうしていたように。男性も家でカッフェをすると経済的だと思うのだけど、其処が面白いものでイタリア人は何故かそういうことに拘ることがない。そうして外でカッフェをすることでイタリアの経済が回っているのだなどと平気でいう。それを女性達が咎めるでもなく、何となくそんな習慣が続いているのだ。そうかしら、そんなこと無いと思うけど。食事の後くらい自宅でカッフェを頂いても良いのではないかと言おうものなら、まだまだイタリアの文化が身体に浸透していないなどと言われてしまう。村の中心は此処であろうと思われる小さな広場に面したところに在る小さなバールの前に座った人々が、こんな暑い時間に何をうろうろしているのかと言わんばかりに私達を眺める。その先に細い道が続いていた。細い道はもうひとつの小さな広場に続いていた。そこで少女に会った。袖なしのワンピースを身につけた髪の短い少女。4才くらいだろうか。でも何処を見回しても親らしき人はいなかった。この村の人達は皆知り合いらしく子供だけで外に遊びに出ることが出来るのだろう。私はカメラを持って散策を続けた。時々振り返ると少女が居た。建物の陰に恥ずかしそうに隠れて。どうやら異国人の私に興味があるらしかった。ちょっと心配だが、多分迷子になることはあるまい。それに近所の人達がちゃんと小さな窓から見守っているに違いない。少し行くと階段があって、階段に面した玄関先に驚くほど大きな猫が寝転んでいた。と言っても猫は眠っているわけではなく、薄目を開けて私達を用心深く眺めているようだった。そんな猫を眺めていると少女はようやく私達に追いついた。それで大きな猫ねと話しかけると少女は小さな声で何か言いながらうんうんと何度も頷いた。多分猫の名前を言っていたに違いなかったが、少女は何度か頷くと私を近くで見ることが出来たことと言葉を交わしたことで満足したらしく、恥ずかしげな笑みをたたえながら風のように走っていってしまったので何と言ったのか聞き返すことが出来なかった。もう一度猫を眺めると猫は本格的な昼寝に入ったようであった。トスカーナには魅力的な村が沢山あると昔誰かから聞いたことがある。この村もその沢山のひとつなのか。きっとそうに違いない。照りつける太陽、しかし何時までも歩いていたいと思った。


人気ブログランキングへ

コメント

食後のカッフェはバルでという男性と女性は家でカッフェ。日常を垣間見る光景があるからこそこういった旅はやめられません。トスカーナには友人も住んでいるのになかなか訪れる機会を逃していますがyspringmindさんのブログと写真を見てまたいかなければ!と思っているところです。

2011/08/19 (Fri) 04:56 | basilea #V1zXMXvE | URL | 編集
Re: タイトルなし

basileaさん、こんにちは。その町に暮らす人々の日常生活を見ることも旅の楽しみのひとつですね。この小さな村は昔のイタリアがそのまま残っているのではないかと思われるふしがところどころに見え隠れしていてとても面白かったです。トスカーナにはご友人がいますか。これを機会に是非トスカーナへ足を延ばしてくださいね。私は暫くトスカーナの小さな町にぞっこんです。

2011/08/21 (Sun) 00:08 | yspringmind #- | URL | 編集

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する