雨に誘われて

今週末はてっきり天気が良いものと思い込んでいた。ところが昨夕から雲行きが怪しくなって生温い風なども吹き始めた。雨の予感。そう言ったら近くにいた人がこう言った。僕が覚えている限り大抵 Il Venerdì santo の夕方から雨が降り始めて、折角の復活祭の連休の半分は雨に見舞われるんだ。Il Venerdì santo とは復活祭の2日前の金曜日で、アメリカではGood Friday と呼ばれていたけれど、私はその響きが大好きで毎年この日が楽しみだった。いつの日かアメリカを去りイタリアに暮し始めるとそんな言葉を自然に忘れてしまい、自然にこの日を楽しみにすることも無くなった。兎に角今年もGood Friday の夜中から本当に雨が降り出して、朝目を覚ますと路面が雨にすっかり濡れて黒く光っていた。小雨だった。いつもならやれやれと溜息をつくところだが、今日に限っては雨に誘われて外に出た。旧市街には旅行者が沢山いた。何処も彼処も混んでいたけど、一番混み合っていたのは食品市場界隈だった。確かに私も旅行先で何より楽しみなのが食品市場。多分世界共通なのかもしれない。そんなことを思いながら魚屋の前を通り過ぎた。この店ときたらいつも混んでいて人が絶えない。いつもなら営業時間を終えて店じまいのところなのに、さて、今日は特別なのか。そんなことを思いながら離れたところで振り返ってみると、人が途絶えたところで店じまいの準備が始まった。さあ、休みだ、休みだ、復活祭の連休だと歌いながら店員達が作業に精を出す様子は誠に楽しくて、行き交う人達の口から思わず笑い声が零れた。さあ、明日は復活祭。そして月曜日も復活祭の翌日で祝日。私は店員達の歌の続きを口ずさみながらまた歩き出した。

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