微妙な季節の匂い
- 2009/01/29 22:53
- Category: ご挨拶

ボローニャはひと頃のようにマイナーな町ではなくなった。私がこの町に暮らし始めた頃とは違う。外国人も沢山居れば日本人も沢山いる町になった。勿論大きな町ローマやミラノとは比較にならなくとも。長年心の中で葛藤しながら暮らしたボローニャを自分の町と思えるようになったのは、ここ数年のことである。呆れるほど時間が掛かったにしてもそう思える日が来たことは、私にとって紛れもない幸運であった。
良い夕方だったので清清しい気持ちで閉じようと思う。遠くに暮らす家族や友人達に私の好きなボローニャのこと、この町での生活を知って貰おうと書き始めたこの雑記帖がこんなに長く続きくとは思いもよらなかった。何しろ怠け者で飽きっぽい私のことだ。半年、長くて1年続けば大したものだと思っていたら、途中で躓き転びながらも2年と2ヶ月書くことが出来た。この雑記帖に立ち寄ってくれた人達の声が、書く栄養になったのだと思う。雑記帖はこれでお終い。でも何が終ってしまう訳でもなく、私はこれからもボローニャに暮らして暇さえあれば散策を楽しみ写真を撮り、時と共に一歩ずつ前進していく。泣いたり笑ったり悩んだりを繰り返して、もっと大人になっていきたいと思う。時々ボローニャと聞いたらば、あんな町並みがあった、こんな裏道があったと思い出して頂けたら嬉しい。ついでにいつかご自分の目と足で確かめにに来て頂けたらば、もっと嬉しい。そして、有難う。最後のページの一番最後に皆さんに心からの感謝を捧げたい。また何時か、何処か違った形で。ごきげんよう。