求む、青空

先週末からボローニャは雨続きだ。来る日も来る日も雨。たまに雨が上がってほっとしても、空が晴れ渡る間もなく再び降り始めてしまう雨。私の知人は天気の良し悪しが全然気にならないそうで、雨が降る度に肩を落とす私を不思議そうに眺める。私は別に神経痛持ちではない、しかし雨が降ると体がしんしん痛む。低気圧が心にも大いに響く。濃い鼠色の空を見ると悲しくなる。4月8日のPasqua(復活祭)に続き、翌日9日の月曜日もPasquettaという名の祝日だ。つまり来週末は3連休なのである。祝日が少ないイタリア、この3連休を楽しみにしているのは私だけでないに違いない。多くの人はその前後に休みを取って遠出するであろう。私個人的には特に楽しい計画があるでもないが3連休はいつだって嬉しい。毎月あっても良いくらいなのである。その貴重な3連休に雨が降ったらどうしよう!と天気予報を念入りにチェックする毎日である。すかーん、と突き抜けるような青空でなくてもいい、程々の青空でも満足するから、と空に話し掛けてみたりもする。

塔の下

ボローニャを観光する人々が必ずと言って良いほど訪れるのがこの斜塔たち。2本の斜塔が並んで建っているここは街の中心の中心だ。ここを基点に道が生まれていると言っても良いかもしれない。夕方にここを通り掛ると沢山の学生が渦巻いている。ボローニャ大学が近いからだ。さて塔の裏手に小さな広場があるのだが、ここが結構良い雰囲気だ。石段に腰を下ろしてお喋りに耽る友達同士や恋人達。いくら学生達で渦巻いている塔の下でも前面と裏手ではこんなに違うのかと驚くほど人が少ない。そういう訳で私はいつもこの広場を横切ることにしているのだが、時々ほんの少し肩身が狭い、恋人達の邪魔をしてはいないかと。イタリアの恋人達の愛情表現は実に正直である。隠そうとはしない、恥ずかしいとも思わない。もうそういうシーンを目にするのにも慣れてはいるのでそれらがどうとか言うつもりはない。ただ私という存在が邪魔をしていないかと心配になるのである。これから暖かくなり外で過ごす時間が楽しくなると益々そんな恋人達を見掛ける回数が増えることだろう。実は私、素直に感情を表現できる彼らがほんの少し羨ましい。

路上駐車

実は運転免許書獲得に励んでいる。今の今まで運転を避けて通ってきた私の人生では驚くべきチャレンジである。運転が怖かった訳ではない、あまり必要性を感じていなかったのだ。ボローニャから隣接国に足を延ばしたりする時、運転出来ると気軽に足を延ばせていいな、などと思ったが時々の事だから必要性とまではいかなかった。しかしこれ以上先に延ばすと記憶力が低下するのではないかとか、反射神経がもっと鈍くなるのではないかとか、色んなことを考えたら今取るのが宜しい、と結論が出た。果たして私の記憶力は既に低下していて正直言って前途多難であるが、頑張る。始めたものは終わらせなければならないのでる。最近少し運転のルールが分かり始めたので、町を歩いていると他人の車の運転が気になる。そしてきっちりと並んだ路上駐車。皆、僅かな隙間によく車を嵌め込んでいて全く感心だ。これを見る度に、こんなことが私にも出来るようになるのだろうか・・・と一瞬途方に暮れる。路上の練習までの道のりはまだまだ長い私の教習所通いである。

pizzaを作ろう

ふと思い出して山に住む友人に電話をした。自力で家を作ったこの人は私の大切な友人である。見掛けはおじさんだが何故か私よりも2歳若い。このところ自分のことで手一杯だったので暫く連絡をしていなかったのだ。友人は現在大恋愛中で私の電話など喜ぶ筈もないと思っていたが、遅い時間に電話したにも拘らず思いのほか久しぶりに声を聞けたことを喜んでくれた。今、山はボローニャの街の2倍くらい寒いらしい。寒い山の生活に慣れている人でも寒いと言うのだから余程に違いない。互いの近況報告をひとしきりした後に、近いうちにピッツァでも一緒に食べようよ、ということになった。さてこのピッツァであるが店に出向くでもなく、ましてや持ち帰りでもない。仲間が色んなものを持ち寄って好きなピッツァを作るのである。最後に作ったのは何時だったか。確か友人の弟夫婦が遊びに来た時だった。手先の器用な弟があっという間に美味しいピッツァを焼き上げてくれたっけ。そんなことを思い出しながら近いうちに会う約束をして電話を切った。引越して友人の家が随分近くなった。これから前以上に交流できること間違いなしだ。

丘の生活

このところ雨が多い。暖冬に引き続き春のような穏やかな気候がだったので、人間も動物も植物もびっくりしている。でも良く考えてみれば3月と言うのはそういう月なのだ。イタリアではmarzo mattoと言って直訳すれば気の狂った3月、つまり気候不順というわけである。思い出してみれば毎年3月はこんな雨降りや寒い日があったので今年が特別なわけではない。人間とは不思議なもので、そう思った途端に気持ちが軽くなる。今週一杯続くであろうこの天候不順を乗り越えれば本格的な春が来る、そう思えば宜しい。きっと沢山の雨を吸い込んだ木々の若葉に萌えて美しい春になるだろう。きっと素晴らしい4月になるだろう。
ところで住み慣れた界隈を離れてボローニャ郊外の丘の町に暮らし始めた。ボローニャからトスカーナ方面に少し行った小さな町である。丘と言ってもたかだか標高200m、しかし夏はそれなりに涼しく冬は・・・寒い。自然の豊かさはボローニャ市内の比ではない。そう言いながらもボローニャ旧市街まで車でわずか20分、自分のプレイグラウンドが替わる訳でもない今迄同様毎日ボローニャに通う。だからいつまでもボローニャ暮らしと同じだけれど、これからは郊外の様子も伝えることが出来そうだ。