アントワープ
- 2023/06/07 21:32
- Category: 友達・人間関係

少し気温が戻って半袖シャツにジャケット姿、復活。こうでなくては、と思う。6月なのだからこれくらいの薄着はしたい。本当を言えばジャケットなんて着ずに半袖姿で歩きたい。しかしそれも時間の問題だと思っている。そろそろ例年の気候に戻ってもよさそうなものだから。
君はこの夏日本に帰るのかい? そう聞いてきたのはベルギーの友人だ。昨年の春の終わり、そして初夏の始まりに妻と一緒にボローニャに訪れた彼。その頃は単なる知人だった。折角ボローニャに来るのだから、美味しい昼食と愉しい散策を共にしたら良いだろうと思い、仕事を一日休んで待ち合わせのサン・ペトロニオ教会の前に行ったところ、自分たちの為に仕事を休んできたことについて彼らは大そう喜び、感動したようだった。そして長い昼食、カフェでのお喋り、その後の旧市街の散策を終える頃には私達は互いを旧友と錯覚するほど腹を割って様々なことを話せるようになっていた。それ以来、彼らとの交流が続いている。週末が来るたびに、週末の愉しい計画を交換すべくメッセージを送りあったり。旅が好きな夫婦で、ひとり娘と3人で様々な場所に足を運ぶ。最近も2週間の旅から帰ってきたばかりだ。それで、君はこの夏日本に帰るのかい? の質問は、昨年ボローニャで会った時、翌夏日本の家族に会いに行くと私が言ったからである。ううん、来年の夏に延期になったと返事をすると、ならば僕らのところに来ないかと言った。僕らのところとはアントワープのことで、冬は寒いし暗いから、夏に訪れるのが良いとずっと誘われているのである。しかし不思議なことに私は冬のアントワープに魅力を感じているのだ。それについてはまだ秘密にしている。何故なら彼らは夏のアントワープが一番だと思っているし、それに知っているのだ、彼らは庭で一緒にバーベキューを愉しみたいことを。冬が長いヨーロッパの国の人達は夏のバーベキューに特別な思いを寄せているから。親しい人が寄り集まって愉しく賑やかに過ごすバーベキュー。そんなことをあの日のお喋りの中で話していたっけ。
誰かが訪問を楽しみにしてくれるのは嬉しいことだ。待ちくたびれてしまわないうちに、それから旅を堪能できる元気があるうちにアントワープを訪れたいと思っている。今年の夏はもう予定があるけれど、ならば冬の始まりはどうだろう。長い旅である必要はない。ほんの数日。小さな鞄に着替えを詰め込んで、ふらりと訪れることが出来たら素敵だ。バーベキューはできないけれど、代わりに美味しい赤ワインを。つまみは愉しいお喋り。計画してみようと思う。
今日も夕方雨が降った。このところ毎日夕方雨が降る。それが悔しいほどの小雨で。こんな小雨なら降らなくても良かったのではないかと文句を言いたくなるほどの小雨。明日は傘を差さずに済めばいいと思う。もうしばらく雨は、良いのではないかとも思っている。私達に太陽を。私達は太陽の光が必要。
